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「ダントツ」の罠

こんな表現をある本で見かけて、昔の失敗を思い出しました。
「私はその試験でダントツのトップだった」
さて、私も昔、同じ間違いをしたのですが、
どこが間違っているかわかりますでしょうか。
知っている人には当たり前かもしれませんが…。


まだ新人編集者だった頃、「ダントツの1位」という文字が入った文章から、
スペースの問題で、2文字以上減らす必要に迫られたことがありました。
なら、「ダントツ」を漢字にすれば、2文字減るんじゃないか。
そう思った私は、こう書きました。
「段突」
私はダントツとは、段違いに突出していることだと思っていたのです。
しかし、それを見た先輩から「おかしい」と言われました。
「断トツ」という表現は見たことがある。
断然、飛び出ているのだから、あえて漢字にするなら、こうではないかと。
「断凸」


混乱した私は辞書を引くことにしました。
(最初から引いておかないから、こういう混乱が起こるのですね)
すると、そこには全く予想もしなかった答えがあったのです。


断トツ――「断然、トップ」の略


えええええええ!
知りませんでした。断トツのトツがまさか「トップ」だったなんて。
いったい、どこの誰ですか、そんな略し方をしたのは。
しかし、困りました。
「ダントツ」から「断トツ」では1文字しか減りません。
そこで気がついたのです。
そもそも「断トツの1位」、つまり「断然トップの1位」という表現はおかしいのではないか。
トップというのは既に1位という意味ですから、
「頭痛が痛い」なみの重複表現になるのではないかと。
「断トツのトップ」なんて、もっととんでもない表現ですね。
結局、その時は、「の1位」を取って、3文字減らすことでことなきを得たのです。


ただ困ったことは、「ダントツの1位」という表現があまりに普通に使われているため、
「私の成績はダントツだった」より、
「私の成績はダントツの1位だった」のほうが、
なんだか座りがいいような気がしてしまうことです。
考えてみれば、「トップ」という言葉が入っているということは、
もし時代劇なんかで、「ダントツ」なんて言葉が出てきたら、おかしいことになってしまいますね。
これ以外にも、知らずに間違って使っている言葉があるかもしれません。
もし、みなさんもこんな勘違いをしていた、という経験があれば教えてください。(横)

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