「日本型うつ病社会」の構造
発売日
2003年04月23日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-62758-8

「日本型うつ病社会」の構造
心理学者から見た停滞する日本の現状と未来

著者 加藤諦三著 《早稲田大学教授》
主な著作 自分に気づく心理学(PHP文庫)』(PHP研究所)
税込価格 1,650円(本体価格1,500円)
内容 「なぜ精神病者が増加するのか?」「なぜ凶悪犯罪が続発するのか?」日本社会に潜む恐るべき病理の原因を心理学者が説き明かす。



 「いつから、こんなに職場の雰囲気が悪くなったんだろう?」、今の日本にはこのような気持ちでいる人は多いのではないだろうか。日本中どこの職場も年功序列が崩れ、次第に能力主義になっていく。それで、皆がハッピーになっているのなら問題はない。しかし、人々を取り巻く状況は逆である。今は心理的に言えば、戦後日本の半世紀にわたる経済成長の根底にある哲学のツケを払っている。政府は戦後半世紀以上にわたって、経済指標をよくしていった。が、国民は実感として住みやすくなったとは感じない。そこで政府は、もっと経済的に豊かにしようと頑張り、政策を打ち上げる。しかし、今の日本がこれ以上上昇志向にこだわれば、日本の経済的・社会的な上昇はない。自分の能力を超えたことを望めば、それはストレスになる。日本が今の経済不況で壊れることはないが、今の日本人の心理状態をこのまま放置すれば日本が壊れることは十分あると示唆する力作評論。