一行怪談
発売日
2017年07月07日
判 型
文庫判
ISBN
978-4-569-76736-9

一行怪談

著者 吉田悠軌著 《作家》
主な著作 『怪談現場 東京23区』(イカロス出版)
税込価格 638円(本体価格580円)
内容 「公園に垂れ下がる色とりどりの鯉のぼりに、一つだけ人間が混じっている。」一行のみで綴られる、奇妙で恐ろしい珠玉の怪談小説集。



 穂村弘氏、推薦!

 たった一行なのに、怖い。想像力が喚起され、不思議な怖さが込み上げてくる怪談を二百近く収録。じわじわと想像力を刺激される、まったく新しい怪談集。

 【一行怪談凡例】
●題名は入らない。 
●文章に句点は一つ。 
●詩ではなく物語である。 
●物語の中でも怪談に近い。

 以上を踏まえた一続きの文章。

 ◎内容例

 今まさに電車が迫る線路上に、物欲しげな目つきの人々が立っていたので、踏み切りに身を投げるのは止めにした。

 寝る時に必ず、洗濯機を回し続けることだけは忘れないよう願いますが、それさえ守ればたいへんお得な物件だと思いますよ。

 世界中あらゆる料理を食べても、いまだ思い出の味に辿りつけない彼には、産まれなかった双子の片割れがいるそうだ。