音に色が見える世界
発売日
2009年09月15日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-77109-0

音に色が見える世界
「共感覚」とは何か

著者 岩崎純一著 《共感覚者、作曲家》
税込価格 792円(本体価格720円)
内容 音楽に色や形を感覚するなど、五感が入り混じった世界に生きる共感覚者自身の告白。それは、日本人が忘れた日本文化の原風景だった。



 一般の人々にとって「ミカンが黄色い」のと同じように、E音は青緑色に、F音は紅色に、著者には感覚される。単音だけでなく、和音や音楽全体にも、色や形を感覚している。

 

 「ある音楽の中では、私の前方三メートル付近で発生した青緑色の球形が、角が丸くなった黄土色の直方体になって私の右肩後ろ方向に進み、やがて背中を回って左手に現れ、そのときには群青色のカーテン状の揺らめきになっている、などということがある」(本文より)

 

 比喩や連想ではない。五感が混じりあった、未分化の世界。このような感覚世界を「共感覚」と呼ぶ。

 

 本書では、当事者の視点から、共感覚とはどういうものなのかを解説する。

 さらに、古語や和歌の考察などを通して、日本文化の原風景が共感覚的であったことを明らかにする。

 

 本来、人間の基本的な感覚であったはずの共感覚とともに、現代人は何を失ってしまったのか。