書籍
- 発売日
- 2011年02月15日
- 判 型
- 新書判並製
- ISBN
- 978-4-569-79552-2
なぜ日本人はとりあえず謝るのか
「ゆるし」と「はずし」の世間論
著者 | 佐藤直樹著 《九州工業大学教授》 |
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主な著作 | 『世間の目』(光文社) |
税込価格 | 792円(本体価格720円) |
内容 | 日本人は謝ることで「世間」に属することを許され、存在論的安心を得る。それは「個人」が確立されていないから。本質をつく日本人論。 |
日本人はだれしも「世間」にとらわれている。世間という人的関係の中で、「ゆるし」や「義理」「人情」といった原理に庇護されて生きている。
西洋では、神にたいして罪を告白するキリスト教の「告解」という制度により、「個人」が形成され、その集団である「社会」が誕生した。しかし日本にはいまだに個人も社会もなく、世間のなかでしか「存在論的安心」を得られない。ゆえに、日本人は世間からの「はずし」を強く恐れる。日本の犯罪率が低いのはそのためである。
もし犯罪や不祥事を起こした場合は、ただちに謝罪しなければならない。日本では真摯な謝罪によって、世間からの「ゆるし」を得て「はずし」を回避することができるのだ。ところが、近年日本の刑法が厳罰化する傾向にある。これは犯罪をゆるす「世間」が解体されつつあることのあらわれなのか?
法制度の変遷をたどりながら、日本「世間」の現在を問う意欲作。
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