群れは意識をもつ
発売日
2013年07月18日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-80950-2

群れは意識をもつ
個の自由と集団の秩序

著者 郡司ペギオ-幸夫著 《神戸大学教授》
主な著作 『生命壱号』(青土社)
税込価格 1,210円(本体価格1,100円)
内容 集合知と心脳問題の最前線を、ミナミコメツキガニの群れのなかに追う。新しい生命モデルとカニの計算機から導かれた驚くべき結論とは?



 数万羽から成るムクドリの群れ。まるで1個の巨大な生き物のように大空を黒い塊となって猛スピードで飛び回り、急転回し、場合によっては突然散開し、再び一個の群れに戻る。動物の群れがなぜこのように統率のとれた行動をとれるのか? 動物たちの群れをめぐる様々な謎は、それが哺乳類であれ、鳥であれ、魚であれ、昆虫であれ、多くの科学者や人工知能研究者たちを魅了してきた。

 ■神経細胞の集団と、動物の群れの違いをどう見るのか?

 ■群れがもつ集団の知性、知能の正体とは何か?

 ■群れのなかの個体が隣接する個体と衝突しないためには?

 ■群れを構成する個体が従うシンプルな原理・規則とは何か?

 これまでの知見をくわしく解説しながら、沖縄の西表島を舞台に繰り広げられるカニの集団渡河行動をめぐる著者たちの研究成果を紹介する。著者たちは次第に、群れのなかの個体にとっての「自由」と、集団の統率・秩序の関係に心を惹かれていく。