なぜ中国は覇権の妄想をやめられないのか
発売日
2015年03月13日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-82485-7

なぜ中国は覇権の妄想をやめられないのか
中華秩序の本質を知れば「歴史の法則」がわかる

著者 石 平著 《評論家》
主な著作 なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』(PHP研究所)
税込価格 858円(本体価格780円)
内容 傍若無人に振る舞う中国はいかに「近代」とは違う原理で動いているのか。「中華思想」の本質を知れば激動する極東の未来が読み解ける。



 養老孟司氏(東京大学名誉教授)絶賛!……「中華思想」に中国自身がいかに縛られてきたか。その切ない歴史と現代中国の考え方がよくわかる。

 

 国際的な常識を決して守らず、力によって現状を変更しようとする中国の振る舞いは、もはや日本人にとってお馴染みにすらなっている。その一方で、そうした中国の「異常性」の本質がどこに由来しているのか、ということを、自信をもって答えられる人は多くないだろう。

 その本質を理解するためには、「中華秩序」によって生み出された中華帝国自身の盛衰と、周辺国家を含む極東の興亡史を知る必要がある、と著者はいう。始皇帝の時代から習近平率いる現代中国まで、2000年の中華帝国史を一気に概観したとき、そこからどのような「歴史の法則」がみえてくるのか。

 その答えは本書に譲りたいが、一つだけいうならば、「中華秩序」の構築とは見栄の問題ではなく、その構築に失敗した国や皇帝はあっという間に滅ぼされる、という残酷な事実がそこにある、ということだ。それがわかれば現代中国がなぜ、異常なまでに海洋進出に固執するか、という理由もわかるはずである。

 そうした「中華秩序」に対して、ある国は徹底的に従属し、ある国は反発し、ある国は距離を置いた。その「歴史の法則」がいまでも変わらないことに、あらためて読者は驚くはずだ。ならば、膨張を続ける中国に日本はどう立ち向かうべきか。山本七平賞作家が満を持して放つ、語られざる斬新な極東興亡史。

 

 序章 「習近平アジア外交」に見え隠れする中華思想の亡霊

 第1章 2000年の帝国史が教える「中華秩序」の実体と虚構

 第2章 「中華秩序」を粉々に破壊したのは近代日本だった

 第3章 毛沢東が失敗した中華帝国の再建、鄧小平の隠忍自重戦略

 第4章 パックス・アメリカーナ in アジア VS 新中華秩序

 終章 日本民族は「アジアの最終戦争」をどう乗り越えるべきか