中国は腹の底で日本をどう思っているのか
発売日
2015年06月15日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-82591-5

中国は腹の底で日本をどう思っているのか
メディアが語らない東アジア情勢の新潮流

著者 富坂聰著 《拓殖大学教授》
主な著作 『習近平と中国の終焉』(角川SSC新書)
税込価格 858円(本体価格780円)
内容 中国の目にこの世界はどう映っているのか。最新事情に精通したジャーナリストが安保、文化、社会の知見を総動員して描く中国の世界戦略。



 著者はいう。日本からみた世界はいま、中国とアメリカによって説明されることがほとんどだ。しかしいま、ほんとうに必要なのは日本から世界をどうみるか、という視点ではない。中国が日本や世界をどうみているのか、あるいはその主語を韓国や北朝鮮に入れ替えたとき、彼らが何を考えているのか、である。

 そうした問題意識のもと、本書は独自情報や現地発の報道を立体的かつ丁寧に組み上げながら、東アジア情勢がどのような力学によって、どちらに動いているのかを明らかにしていく。その視点の基礎を成す要素は「価値観」ではなく、各国の「利害」だ。

 日中関係はなぜいま改善しているのか、中国が図ろうとしている「脱露入米」とは何か、イギリスはどうしてAIIB(アジアインフラ投資銀行)に参加したのか、日朝交渉が必ず行き詰まるのはどうしてか……その答えが日本メディアの論調とは大きく異なることに、読者の方は驚くことになるだろう。

 ならば、その新潮流のなかで「価値観外交」を全面に掲げる安倍政権の手法はそこまで効果的なのか。日本外交に対する痛烈な示唆までをも含みながら、中国を知り尽くした気鋭のジャーナリストが描き出す極東コンフィデンシャル。

 

 内容例:“テロ組織”にされたウイグル族独立派/名指しで最優先の報復対象にされた中国/変節する「抗日戦争勝利七十周年」記念行事/ファシズムと日本を結びつけようとした中国/イギリスの意図を完全に読み違えた日本政府/「米露対決」の最大の焦点は「北極圏」にある/北朝鮮の特徴は「ないものをあるようにみせる」/「中国が北朝鮮を見放す」という主張は的外れ/制裁階緒へと大きく舵を切った安倍政権/「日本優位」の発想はもはや完全に時代遅れ/「利害」という要素に注目することのメリット ほか