日本、遥かなり
発売日
2015年11月19日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-82705-6

日本、遥かなり
エルトゥールルの「奇跡」と邦人救出の「迷走」

著者 門田隆将著 《ノンフィクション作家》
主な著作 死の淵を見た男』(PHP研究所)
税込価格 1,870円(本体価格1,700円)
内容 1890年の「海の恩」を1985年の在イラン邦人救出で返してくれたトルコ。だが、その後も邦人の危機は続き……。当事者たちが胸迫る真実を語る。



 なぜトルコは、助けに来てくれたのか? どうして日本は、助けに来ないのか?――安保法制でも救えない、「日本国民の命」

 1890年に日本を訪れ、台風で難破したトルコ軍艦エルトゥールル号の乗組員を、日本人は必死に救助し、トルコまで送り届けた。それから95年を経た1985年、イラン・イラク戦争で危機に陥ったテヘラン在住の日本人を、トルコが命がけで救出してくれた。「危険だからこそ、我々が助けに行く」――その気概によって、国を越えて命が救われた事実は、我々の胸を打ってやまない。

 だが一方で、海外にいる邦人を救い出す法整備は後手にまわり、驚くべきことに、2015年の安全保障関連法改正でもなお、自国民の命を「救えない」状況が続いている。海外で危機に陥った日本人は、いかなる困難に直面するのか? そして、日本の近隣で緊急事態が起きた場合、我々は絶望の淵にある他国の人々の命を救うことができるのか?

 本書は、イラン・イラク戦争、湾岸戦争、イエメン内戦、リビア動乱で死地を脱した数多くの邦人たちを取材し、日本が今も抱え続ける「邦人救出」の問題点を抉りだした。エルトゥールル号遭難の舞台となった和歌山県串本やトルコの描写も交え、「恩返しの奇跡」と「緊迫の脱出劇」の真実を明らかにする、魂が震える感動のノンフィクションである。