サツマイモと日本人
発売日
2010年10月15日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-79192-0

サツマイモと日本人
忘れられた食の足跡

著者 伊藤章治著 《桜美林大学名誉教授》
主な著作 『ジャガイモの世界史』(中公新書)
税込価格 836円(本体価格760円)
内容 日本にサツマイモが伝来して400年。民衆の生活といかに関わってきたか、ジャガイモとの対比で描く。現在と未来も映す芋の話。



 サツマイモが琉球へ伝わってきたのはいまから400年ほど前、江戸時代のはじめのころ。栄養価が高く、痩せた土地でも容易に育つため、日本各地へ急速に栽培が広まっていく。江戸の飢饉から人々を救ったのもこの芋で、甘藷、唐芋、琉球芋、孝行芋……とさまざまな呼び名で呼ばれるサツマイモは、日本の民衆にとって、ジャガイモと並ぶ「お助けイモ」だった。日本の各地にサツマイモにまつわる寺社が多数建てられていることは、そうしたことの証であり、民衆の感謝の現れであろう。

 そのように考えた著者は、日本の各地へ、「サツマイモ物語」を求めて、取材旅行に出る。この本は、こうして明らかとなった、サツマイモをめぐるさまざまな足跡を掘り起こす。そして現在も、町おこしの中心作物として栽培され、空爆が続くアフガニスタンの農業支援の中心であり、未来の宇宙ステーションでの宇宙食メニューのエースとして注目されていることを見つける。