「現人神」「国家神道」という幻想
発売日
2003年02月14日
判 型
四六判上製
ISBN
978-4-569-62654-3

「現人神」「国家神道」という幻想
近代日本を歪めた俗説を糺す

著者 新田均著 《皇學館大學助教授》
主な著作 『一刀両断 先生、もっと勉強しなさい!』(国書刊行会)
税込価格 1,760円(本体価格1,600円)
内容 「現人神」「国家神道」という言葉にはレッテルが貼られていないか。近代日本を歪めた「天皇制絶対主義」という俗説の正体を検証する。



 「現人神」「国家神道」――これらの言葉から、現代の日本人はどんなイメージを連想するだろうか。おそらく、狂信的な「天皇崇拝思想」と、それを支えた「国教制度」といったとこだろう。そして、この「日本国民を狂信的な戦争へと導いた思想と制度」は「明治政府が日本の近代化のために考え出した」などとされている。

 だが著者は、「そのような認識は思い込みに基づく幻想にすぎない」と喝破する。それは最近の実証的歴史研究の成果に照らしても明らかなのだが、これが意外と世間では知られておらず、歴史の専門家でさえ、少し分野が違っただけで知らない者が大多数なのだという。世間で知られていないことがそれほど大きな意味を持たないなら、それでもかまわないのかもしれないが、この「幻想」はわが国の首相の靖国神社参拝問題や政教関係訴訟、さらには教科書問題や外交関係にまで影を落としている。

 “虚像”が誰によって、いかにして創られたかを検証する。