世界危機をチャンスに変えた幕末維新の知恵
発売日
2009年06月15日
判 型
新書判
ISBN
978-4-569-70982-6

世界危機をチャンスに変えた幕末維新の知恵

著者 原口泉著 《歴史学者、鹿児島大学教授》
主な著作 『龍馬を超えた男 小松帯刀』(グラフ社)
税込価格 858円(本体価格780円)
内容 南北戦争がなかったら明治維新は起きなかった!? 世界経済が押しよせた幕末の危機をチャンスに変えた志士たちの奮闘に、今こそ学ぶ。



 南北戦争がなければ明治維新は起きなかった!?

 

 幕末・明治の歴史は経済で動いていた。

 アメリカの南北戦争によって南部の綿花地帯が荒廃、世界的な「綿花飢饉」が起こっているなか、いち早く海外情報を得ていた薩摩藩はそれを利用して倒幕資金を稼いだ。また、藩主・島津斉彬は集成館事業を興して近代化を進めた。薩摩藩家老・小松帯刀は坂本龍馬と組んで、世界を相手にビジネスに乗りだす。

 

 近代化路線は大久保利通・岩崎弥太郎・松方正義らへと引きつがれる。が、急速すぎる工業発展に危惧を抱いた前田正名は『興業意見』を発表して農業の重要性を説く。政府内での対立によって官を辞し下野してのちは、全国をまわって「布衣の農相」と呼ばれた。

 そしてついに、渋沢栄一が日本型資本主義を確立する。

 

 資本主義の崩壊が叫ばれるいま、時代を超えて通用する倫理観やモラルを示した資本主義を目指した彼らの奮闘ぶりから、その志を感じとれ!