器量と人望 西郷隆盛という磁力
発売日
2010年01月15日
判 型
新書判並製
ISBN
978-4-569-77559-3

器量と人望 西郷隆盛という磁力

著者 立元幸治著 《元NHKチーフ・プロデューサー》
主な著作 誰がテレビをつまらなくしたのか』(PHP研究所)
税込価格 814円(本体価格740円)
内容 完全無欠の英雄としてではなく、弱さ、凡庸、矛盾を併せ持った人物として再評価。詩人としての西郷像に注目し、もう一つの素顔に迫る。



 幕末維新の立役者と讃えられ、多くの信望を集める西郷隆盛。しかし、その実像には、無謬の英傑あるいは完璧な人格者とは言い難い一面もある。「無私と野心」「勁(つよ)さと弱さ」「度量と狭量」「忠心と逆心」など、一見矛盾とも思われるその内面や行動の二元性、相対性に着目。平板な英雄像を超えた人間西郷をあぶり出す。特に、主役として活躍し、脚光を浴びた時期ではなく、「野」にあった時期、つまり、長きにわたる南島での潜居、流島の時期、明治六年政変後の下野の時期にも焦点をあて、この時期の重要性と意味を探っていく。さらには、西郷が残した二百首に及ぶ詩を手がかりに、これまで語られることのなかった素顔に迫る。武断派、政略家、英傑、巨人というイメージとは違う、西郷のもう一つの顔が見えてくるはずだ。それは、心優しき詩人としての一面である。かつて政権交代を遂げた男が本当に語りたかったこととは。無視と野心の狭間で生きる指導者の苦悩を活写した渾身作!