頁数/仕様
192ページ / 縦:18.8cm 横:12.8cm
初版
2013年12月
在庫
在庫あり

ぐずぐず・ダラダラが減る!
子どもが「甘えていいとき・悪いとき」

子どもは一体どこまで甘えさせていいの? 子どもをのびのび育てる上で見過ごしがちなことを、Q&Aとマンガでわかりやすく解説。今日からできる、上手な甘えさせ方を紹介します。
著者(肩書) 東ちひろ《一般社団法人・子育て心理学・協会 代表理事》
主な著作 『「言うことを聞かなくなってきた子」の育て方』(PHP研究所)
編集等
税込価格 1,320円   (本体価格:1,200円)
対象 園児~小学校低学年の保護者
頁数/仕様 192ページ / 縦:18.8cm 横:12.8cm
初版 2013年12月

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子どもがなんでも「やって」とせがむ、物を欲しがって聞かない。
こんなときは甘えさせていいの? 悪いの? そんなふうに悩まれているからこそ、あなたはこの本を手に取ってくださったのでしょう。
しかし、実は「悪い甘え」など存在しません。
「これはよくない甘えかた」と感じるのは、子どもが悪いのではなく、お母さんの都合を優先してしまっているからです。お母さんの対応次第で、子どもの甘えはよくも悪くもなります。本書では、そのことをいちばんお伝えしたいです。

子どもは、親の時間とお金を食べて大きくなります。
多くのお母さんは、毎日ほとんどの時間を子育てに使い、自分が欲しいものも、やりたいことも我慢して、ただひたすら一生懸命に子育てをしています。
しかし、そこまでの膨大なエネルギーを費やして子育てをしているにもかかわらず、子どもに手を焼くのが通常の子育てです。表面的なことだけを考えたら、子育てほど割に合わない「仕事」はありません。そして、子育ては、万人に通じる正解がなく、なかなかやり直しがきかないものです。
子育ては、正解がないけれど、子どもの自立というゴールに向かって「とにかくお母さんになったからには、ガンバルしかないよ」と言われているようなものです。
だとしたら、普通に子育てを続けていると、大海に船出した小舟のように方向性を見失い、現在地がわからなくなるのは時間の問題です。よかれと思ってやっていたのに、ふと気がつくと正反対の方向に進んでいた、そんなことが起こるかもしれません。

私は現在、電話を中心にお母さんがたの子育て相談を行なっていますが、実は以前は、小学校と幼稚園の教員をしていました。
学級の四十人近い子どもたちをいかにしてやる気にさせるかが私の仕事でした。どれほど手を焼く子どもでも、こちらの出方が変わるといかようにも変化しました。だから当時は、子どもは必ず変わる、と実感していました。
ところが、自分の子どもが生まれると、その考えは、あっという間に崩れ去りました。
たったふたりのわが子に振り回されるようになったのです。
その頃の私は八方ふさがりで、毎日ヘトヘトでした。子育てに余裕がなくなり自信がもてないので、自分以外の母親がずいぶん立派に見えたものです。そのため、卑屈になったり、その怒りを子どもや夫に向けたりもしてしまいました。
おそらく当時の私は、正解がないと言われる子育てに、もう少し「頼りになるもの」はないかと探していたのだと思います。
「甘えさせることは大事」と言うけれど、甘えさせてばかりでは、ひ弱な子どもになるのではないのかしら。
「スキンシップが大事」って言うけれど、それをいつまで、どのくらいしたらいいだろうか。
「子どもの話を聞きましょう」と言うけれど、子どもが不平・不満や暴言を言うとき、いったいどうしたらいいのだろうか。
私は、そのあたりの漠然としたことをもっと明確にわかりたいと思いました。毎日、膨大なエネルギーを費やす子育てに、ただ「やったほうがいいんじゃないの?」という程度の目安しかないのでは、いささか頼りないと感じたのです。
その後、私は教員を退職し、子育てをしながら、心理学やコーチングを学びました。子育てに役立つものはなんでも知りたかったのです。その学んだことのエッセンスがこの一冊になりました。

本書は、理想論ではなく、「これならば今日からできそう」「忙しい私にも取り入れられそう」と感じていただくことを望んでいます。
電話による子育て相談のなかで私が多くのお母さんにお伝えしていることを、出し惜しみすることなくお伝えしようと思います。この本をご覧になることで、「子どもを上手に甘えさせる子育て術」があると感じていただけると幸いです。
さらにその子育て術をお母さんが自在に使えるようになると、子どもは過剰に甘えることも、怒られることも少なくなるので、本来もっている力を存分に発揮できるようになります。そして、やる気と自信がある子、やさしさと強さの両方を兼ね備えた子どもに育っていくことと思います。すごいでしょ! そんな子になったらうれしいですよね。では、ここから私の子育て術の種あかしが始まります。  (「はじめに」より)

《第1章》「甘えさせる」って、どうしたらいいの?
・「甘えさせる」って、どういうこと?
・十分に甘えさせると、自信がつく
・子どもの自信とやる気を引き出す「ココロ貯金」理論
・ココロ貯金の五つの法則
・「甘えさせる」と「甘やかす」は違います
・「甘えさせる」と「甘い顔をする」
・忙しいときほど、甘えてくる理由
・子どもを怒らずにすむ処方箋
・九つまでは、包んで育てる

《第2章》Q&Aでよくわかる! いい甘えさせかた・悪い甘えさせかた
【case1】自分でできることを「やって」とせがむ
【case2】おやつを欲しがって聞かない
【case3】やたらに抱っこをせがむ
【case4】食事時間にわざとらしく時間をかける
【case5】おもちゃを「片づけて」とせがむ
【case6】忙しいときに限って、ひとりでトイレに行かない
【case7】「お母さんなんか大嫌い」と言う
【case8】「お母さんのせいだ」とダダをこねる
【case9】何度言っても、汚い言葉を使う
【case10】下の子にしょっちゅうケンカをしかける
【case11】話しかけても返事をしない
【case12】寝る前にわがままを言う
【case13】あれこれ物を欲しがる
【case14】すぐに怒りだしたり激しく泣き叫んだりする
【case15】幼稚園を休みたいと言う
【case16】幼稚園に送るとき、泣いて離れない
【case17】先生や友だちにあいさつができない
【case18】イヤなことをされても「やめて」と言えない
【case19】友だちが作れない
【case20】「園で楽しいことがあった」という話をしない
【case21】習いごとをやめたいと言う
【case22】制限時間を過ぎても、ゲームをやめようとしない
【case23】宿題をしない
【case24】宿題の取りかかりが遅い
【case25】集中して宿題に取り組まない
【case26】問題文をしっかり読まない
【case27】「塾に行った」と嘘をつく
【case28】なかなか学校へ行く用意をしない
【case29】友だちへの不満を家で言う
【case30】参観日にわざとふざける

《第3章》お母さんへの子育ての処方箋
・夫が子どものココロ貯金を減らしてしまう
・おばあちゃんが、「甘えさせるとダメになる」と言う
・お母さんがヘトヘトに疲れきっている
・お母さんの心の軸がぶれている
・子どもを怒りすぎて、自己嫌悪になる
・自分が親に言われて嫌だった言葉を子どもに言ってしまう
・ママ友から辛辣なことを言われた
・お母さん自身、自分に自信がない