頁数/仕様
152ページ / 縦:21cm 横:14.9cm
初版
2014年2月
在庫
在庫あり

「遺品整理」で困らないために知っておきたいこと
故人の生きざまをキレイに片づけ“最後のお別れ”

「日用品」「住まい」「財産」「気持ち」の整理など、「故人の生きざま」にしっかり向き合い、遺族の負担を減らしながら、適切に対処していくための方法と手順を丁寧に紹介しています。
著者(肩書) 吉田太一《遺品整理専門会社「キーパーズ」代表》
主な著作 『遺品整理屋は見た!』(扶桑社文庫)
税込価格 1,296円 (本体価格:1,200円)
対象 一般
頁数/仕様 152ページ / 縦:21cm 横:14.9cm
初版 2014年2月

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「遺品整理って、なんですか?」

そう聞かれて、なんと説明すればいいんだろうか? 日本初の遺品整理専門業者を創った私が答えられないわけにいかない……。
そう考えながら創業から約三年が過ぎたころ、なんとなく言葉にまとめられるようになった気がしたことを覚えています。

遺品とは故人が残した形見の品。
最初はそう考えていました。
しかし形見とは、遺族が引き取って初めて、形見として扱われるもの。引き取られなかった家財道具などは、残念ながら遺品ではありますが形見ではないのです。ということは、遺品=形見ではないわけです。
それでは、遺品とは何か。
文字通り、「遺された」品であるということができます。
一般的に、残された品は「残置物」と呼ばれ、持ち主が放置したことによって、迷惑を被る人がいます。社会では邪魔者扱いされても仕方ありません。
しかし遺品は、持ち主が亡くなって「遺された」もの。持ち主、つまり故人にはどうすることもできない、誰かが片づけを手伝ってあげないといけないものです。邪魔者扱いは、決してしてほしくありません。

人は誰でも、いつか必ず死が訪れる──すべての人に、たった一つ共通していることです。死なない人は絶対にいない。そして、自分の亡き後に自分自身で遺品整理のできる人もいないのです。
人は、生まれてくるときはみな裸、手ぶらで生まれてきますが、死んでいくときも裸で手ぶらというわけにはいきません。何かしら、誰かに手伝ってもらうことになるのです。
人間は一人では死ねないということです。

最近は、葬儀に参列する人が少なくなり、ごく小規模で行なう簡素な葬儀も増えています。この傾向は、人口構造と生活スタイルの変化、また、すべての価値観の変化によって、急激に加速しています。
遺品についていえば、現代は物があふれる贅沢な時代であるため、一人あたりの持ち物(家財道具)の量が増えています。

世の中のすべての事柄には、何かしらの意味や目的が存在します。では、遺品整理は何のために、そして誰のために行なうのでしょうか?

人によって意味や目的は違うのが当然で、誰かと同じでないといけないわけではありません。だから、「これだ」と言い切れるものでも、決めつけるものでもありません。
しかし、なんとなく「遺品整理は、“故人のために”しなくてはいけないものだ」という感覚はありませんか?
しかし、本来、遺品整理は、遺族が“自分のために”行なう作業なのだと、私は考えています。
一人住まいの高齢者の自宅へ無料相談で訪問すると、「できるだけ人様に迷惑をかけたくないので、遺品の整理についてもちゃんと段取りをつけておきたい」とおっしゃる方がおられます。
たしかに、一人住まいの家財道具であっても、一式すべてを分別して梱包し、搬出して部屋の掃除まで行なうことは、一般の方からすると重労働です。「後片づけ」や「清掃」などのイメージもあり、それを誰かにお願いすることは「申し訳ないこと」だと思ってしまうのも無理はありません。
「できるだけ負担の少ないように」と、事前に家財を減らす努力をされている高齢者の方を見ていると、かわいそうになることもあります。
そんなとき、私はこんな話をするようにしています。

「人に迷惑をかけるというのは、どういうことでしょう? 本来自分がすべきこと、できることなのに、それを忘れていたり、怠けていたりして、自分以外の人に手間をかけてしまった場合をいうのですよね。
しかし、自分の遺品整理を自分でできる人なんて、この世には存在しません。自分ではできないので、誰かにしてもらわないといけないのです。ですので、こう考えてみてください。遺品整理は“人にしてもらうのが当たり前”で、したがって、迷惑ということではないのです。
その代り、自分も誰かにしてもらうぶん、自分も誰か(身内)の遺品整理をちゃんとしてあげよう。そんな気持ちでいればいいのです」

「自分でもできるのにしない」というのはよくないかもしれませんが、どうしても無理なものは無理。できないときは、できる人に手伝ってもらえばいいのです。
遺品整理だけでなく、世の中の出来事の大半は、皆お互いさまではないかと思います。皆さんもいつか誰かの手を借りて、遺品整理をしてもらうときが、必ず来るのです。  (【序章】「人は一人では死ねない」より一部抜粋)

【序章】人は一人では死ねない
・「遺品整理って、なんですか?」

【第1章】故人との最後のお別れ
・遺品は文明とともに
・遺品整理は不気味!?
・故人の生きざまの証明
・遺品を整理できない故人に代わって

【第2章】天国へのお引越しのお手伝い
・遺品整理はゴミ処理ではない
・時代を引き継ぐ準備
・“徳の貯金”
・スムーズな遺品整理のために
・「身内との関係」を確認しておく
・事前に想定しておきたいこと
・遺品整理の手順と注意点

【第3章】「物の整理」で困らないために
・アイテム別 いる・いらないの判断基準
・台所の整理は大仕事
・無償提供も一つの方法

【第4章】「住まいの整理」で困らないために
・近隣への対応
・交友関係への対応
・賃貸契約の解除
・家賃の滞納は借金と同じ
・「原状回復」に注意
・借地の場合の対応
・不動産が他人の手に渡っていることもある
・故人の自家用車はどこ?
・知らない人の荷物が……
・ゴミ屋敷にならないために
・孤独死は他人事ではない

【第5章】「財産の整理」で困らないために
・預貯金の把握
・遺言書が出てきたら
・遺言書がなければ遺族が決める
・遺言執行者は決まっているか
・保険証券の確認
・不動産の権利書がない!
・誰も知らない相続人が……
・相続放棄は慎重に

【第6章】「気持ちの整理」で困らないために
・遺品整理のタイミング
・故人の秘密を知ることもある
・グリーフケアを知っていますか?

【付章】ご遺族の負担を減らすために──あとがきに代えて
・遺品整理専門業
・意外な役割
・ご遺族の負担を少しでも軽減するために