頁数/仕様
160ページ / 縦:21cm 横:14.9cm
初版
2014年6月
在庫
在庫僅少

「その子らしさ」を豊かに伸ばす
おうちでシュタイナー子育て
畏敬の念をもって迎え 愛をもって育み 自由へと解き放つ

一人ひとりの個性を尊重するシュタイナー教育のエッセンスを1冊にまとめました。基本となる考え方から家庭ですぐにできる実践法まで、わかりやすく紹介しています。
著者(肩書) 堀内節子《にじの森幼稚園前園長》
主な著作 『0歳から7歳までのシュタイナー教育』(学習研究社)
税込価格 1,296円 (本体価格:1,200円)
対象 乳幼児~小学生の保護者
頁数/仕様 160ページ / 縦:21cm 横:14.9cm
初版 2014年6月

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日本に「シュタイナー教育」が伝えられて、40年が経とうとしています。
多くの方に関心をもっていただけるようになりましたが、その多くはシュタイナー教育の環境の整え方や、ノート、玩具などについてであり、基礎となっている思想や人間観については、まだまだじゅうぶんに理解されていないように感じます。
20年ほど前になりますが、私が幼稚園の先生の研修のため、北ドイツのシュタイナー幼稚園に行ったときのことです。一週間にわたる研修の間、園への連絡も含めてすべてを引き受けてくださったのが、六人の子どもをもち、この地のシュタイナー幼稚園や学校設立の中心的役割を担っておられるエリザベートさんでした。エリザベートさんのお話は、シュタイナーの子育てや教育の本質を突いていながらも、とてもわかりやすい言葉を使われていて、心に深く入ってくるものでした。
明日から実践研修だという日、私は幼稚園へもって行くお土産や、紹介する日本の手遊びなどを一応確認したあと、エリザベートさんに、用意してきたお土産の「たんきり飴」を見せながら、「私たちの地方の素朴な特産品なのですが、子どもたちにもっていってもいいかしら?」と聞いてみました。もちろん、「いいじゃない!」という返事を期待して。ところが、しばらく飴を見て考えていたエリザベートさんは、「子どもを怠けもの(Faulenzer)にしたくないから、やめましょう」と気の毒そうに言いました。その瞬間、私は頭を激しく殴られたような衝撃を受けました。それは、シュタイナー教育の根本をあまりにも的確に表す言葉であり、そのことを自分が忘れていたことを気づかせてくれるものだったからです。
シュタイナーの人間観では、「第1七年期(0~7歳)」は子どもの身体形成期、「第2七年期(7~14歳)」は心が育つ時期、「第3七年期(14~21歳)」は論理的な思考の形成期だといわれます。
私が飴をもっていこうと思っていたのは、身体形成期の最中にいる子どもたち。エリザベートさんが「飴を与えるのはやめましょう」と言ったのは、たとえ一回だけであったとしても、はたらかなくても元気の出る食べ物を与えられたら、まだ、たどたどしくしか動いていない消化器官が怠けることを覚え、怠けさせてくれる食べ物をふたたび求めてしまう、ということを考えたからだと思います。
この時期の子どもの食事は、ただ食べるというだけの単純なものではなく、取り込んだものを消化して血液に送り込んだり、不要なものを体外に出したり、適切なホルモンや酵素を必要に応じて出したり止めたりと、口に入れてから排出するまでのさまざまなことを練習しながら、強さと正確さをもった健康な器官をつくっていくという役目を担っています。そこにすでにブドウ糖化した糖分を与えたら、体は“何もしなくてもいい”という「怠けること」の味を覚えてしまうのです。
それは、第2七年期の「心が育つ時期」でも同じです。悲しいことや苦しいことは、小学1、2年生の幼い心には負担の大きいことで、親としてはできれば経験させたくないと思いますが、「心の練習だ」と思って見守り、「心が怠けず、原因としっかり向き合って、乗り越えたり解決したりする方法」を練習する適切な助けをしなくてはなりません。第3七年期の「論理的思考が育つ時期」についても、この“怠けない”を肝に銘じておくといいでしょう。
シュタイナー教育では、7歳までテレビを見せることをすすめていませんが、エリザベートさんは子どもが12歳くらいになるとテレビをいっしょに見て、その内容について親子で意見を交わすそうです。論理的思考能力の誕生とともに、自分の考えをしっかりもてるようになるためにも、社会の問題にしっかりと向き合っていくためにも、親がフォローしながら、こうした思考の練習が大切です。
子どもたちの体の成長期には体を、心の成長期には心を、思考の成長期には思考を、それぞれ「怠けもの」にしないように見守り助けていくために、本書が少しでもお役に立つことができるのならば、これにまさる喜びはありません。  (「はじめに」より)

■ゆったりとした時間のなかで~シュタイナー教育と子どもたち~
・にじの森幼稚園のある1日
・ゆったりと目覚める朝
・自然のなかで体を動かす外遊び
・想像力を引き出す遊びとおもちゃ
・内なる世界を広げる遊び
・行事が生みだす1年のリズム
・子どもが安らぐ空間づくり

【第1章】シュタイナー教育って?
・子どもとともに、親も育つ
・シュタイナーってどんな人?
新しい思想“アントロポゾフィー”を確立/シュタイナーの思想の広がり
独自の人間観にもとづく教育
・シュタイナー教育が目指すもの
・7年周期――人間には7年ごとの成長リズムがある
0~7歳:まずは体をつくる/7~14歳:豊かな心を育てる
14~21歳:“個”を確立する/21~42歳:心を充実させる
42~63歳:精神を輝かせ、次代へつなぐ
・0歳から7歳までの育ちのポイント
・人は“四つの気質”をもっている
・親子の気質の相性は?
・子どもの気質別・接し方のポイント
多血質の子ども/憂鬱質の子ども/胆汁質の子ども/粘液質の子ども
・自立した人間になるための育ち――12感覚とは

【第2章】家庭でできるシュタナー教育
・暮らしのなかのリズムを大切に
“目覚め”と“眠り”のリズムをつける
1日のなかでリズムをつくる/さまざまなリズムのなかで成長する
・何を食べさせるかより、どう食べさせるか
自分の食べるものにかかわらせる
・音の刺激を与えすぎない
注意したい日常の音/話しかけは落ち着いた声で
子どもに聞かせたい音楽/子どもに聞かせたい歌声
・自由に遊べるおもちゃを
0~3歳の遊び:手足をたくさん使う/3歳以降の遊び:“自分のもの”という感覚
想像力をふくらませるおもちゃ
・指先の体験を重ねる~粘土遊び・にじみ絵・お絵かき
粘土遊び/にじみ絵/クレヨンを使ったお絵かき
・お話を“語り聞かせる”大切さ
子どもの想像力を引き出す“素話”/メルヘンがもつ力
0~3歳の子どもにお話をするなら/3歳以上の子どもにお話をするなら
・文字やテレビとのかかわり方
7歳までは体をつくることを優先する/テレビの刺激は子どもには強すぎる
・生き物とのかかわりで命の大切さを知る
・植物を育てるなかで“見えない力”を感じる
・手仕事を通して秩序を学ぶ
・片づけは“系統立てて考える力”を育てる
・叱るとき、ほめるときのポイント
叱るときは抱っこして、ほめるときは目を見て/気質別・叱るポイント
気質別・ほめるポイント
・病気、ケガとのつきあい方
熱とじょうずにつきあう/子どもの不調とやさしい手当て
・暮らしに取り入れたい行事
1年のリズムと行事/季節の行事が絆を強める
・子どもが安らぐ部屋づくり
やさしい色と素材を選ぶ/落ち着いた雰囲気をつくる

【第3章】こんなとき、どう向き合えばいいの?
・年齢別・子どもとの向き合い方
0~7歳:しっかりとした体をつくる
7~14歳:つまずきも心の成長につながる
14~21歳:自立への力を蓄える
・いつごろ卒乳するのがよいのでしょうか?
・子どものかんしゃくが激しくて手に負えません
・言葉が遅いのが心配です
・発達障害の疑いと診断され、不安です
・つい「早くしなさい」と言ってしまいます
・兄の影響で乱暴な言葉を使います
・子どものクセが気になります
・食べ物の好き嫌いが激しくて困っています
・5歳の子どもが文字に興味をもっています
・父親が不在がちなのが気がかりです
・共働き家庭でもシュタイナー教育はできる?
・今さらシュタイナー教育は手遅れ?
・学校でいじめにあっています
・親離れしつつある子どもにどう接したらいい?