頁数/仕様
136ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版
2016年10月
在庫
在庫あり

下肢静脈瘤は自分で防ぐ! こうして治す!

足のむくみやだるさ、冷えでお困りの方は必読! 下肢静脈瘤をくわしく知れば改善の糸口に。病気の内容からセルフチェック、お手軽なケア方法や治療法までを1冊に収録しています。
著者(肩書) 佐藤達朗《サトウ血管外科クリニック院長》
主な著作 『足の甲を巻けばむくみは治る!』(自由国民社)
税込価格 1,296円 (本体価格:1,200円)
対象 一般
頁数/仕様 136ページ / 縦:21cm 横:14.8cm
初版 2016年10月

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◆下肢静脈瘤は静脈の病気です

それでは、「下肢静脈瘤」についてお話ししていくことにしましょう。
下肢静脈瘤という名前を聞いたことはあっても、詳しくはわからないという人が多いのではないでしょうか。実際、その症状や状態にはいろいろなケースがあり、場合によっては見た目にはわからないこともあります。
そこで、下肢静脈瘤とはいったいどういうものなのか、具体的なケースを挙げながら説明するとともに、どういうことが原因で起こるのかを、細かくお伝えしようと考えました。そのうえで、日頃の生活でできる予防法やケアをご紹介しましょう。

まず、知っておいてほしいのは、下肢静脈瘤とは静脈の病気であること。静脈になんらかのトラブルがあり、起こることなのです。
「静脈」といわれると、なんだかわかりにくいかもしれませんが、血管には静脈のほかに「動脈」があるのをご存じだと思います。
動脈が事故などで切断してしまった場合、すぐに処置をしないと出血多量で死んでしまいます。また、加齢やコレステロールの摂りすぎで血管の壁が石のようになり、血管内腔が細くなる「動脈硬化」や、動脈が閉塞してしまうことで引き起こされる「脳梗塞」や「心筋梗塞」といった病気があります。いずれも死に至るリスクを抱えています。
そのような点からも動脈は医学の世界でこれまでにいろいろと研究され、大まかにそのメカニズムも判明しています。さまざまな治療法や予防法も開発されています。
そんな動脈に比べると、静脈は「あまり悪さをしない血管」と、いわれてきました。静脈は血管が切れたとしても自然に再生する力を持っているし、血管に瘤のような塊ができても、動脈のように破裂することは滅多にありません。
静脈に関しては死に至る大病となることが稀とされ、たいして重要視されることもなく、熱心に研究されることもありませんでした。そのため、静脈のしくみや働きについて、あまりわかっていないのが実情です。
ところが近年、静脈のトラブルが深刻な問題を引き起こすことがわかってきました。
たとえば、「エコノミークラス症候群」です。
飛行機の狭いイスに長時間座っていて起こりやすくなることから、こうした名称で呼ばれていますが、大地震などの災害時に避難先で被災者の身にも起こることがテレビや新聞のニュースでも取り上げられました。
イスに座ったままや、クルマの車内などで寝泊まりをして長時間同じ姿勢でいたり、あまり歩かなかったり、トイレに行く回数を減らすために水分摂取量を控えたりすることで起こる脱水症状などが原因となり、足の静脈に「血栓」という血の塊ができます。その血栓がなにかの拍子に肺まで流れ、肺の血管を詰まらせることを「肺塞栓症」といい、呼吸困難や失神を引き起こします。
大きな肺梗塞はショックを引き起こし、一時的に心停止となり、心臓が止まってしまいます。多くはその際に脳梗塞や心筋梗塞を伴います。
静脈の病気といえどもあなどれず、動脈同様、ことによっては重篤な状態になりかねないのです。
私は、血管外科医として20年以上にわたって静脈瘤の治療にあたり、静脈の研究を進めてきました。2008年に京都でクリニックを開いてからは、診察した症例も1万2000件を超し、多くの患者と接するうちに、ようやく下肢静脈瘤が起こる本当の理由がつかめてきました。そして同時に、長い間ナゾとされてきた静脈の正体も、徐々にわかりはじめてきました。
そのような結果、判明したのが、「静脈はカラダの重大な異変をいち早く感知してシグナルを送ってくれる大切な器官である」ということです。静脈で起こったトラブルは、大病の前兆ととらえることができるのです。
下肢静脈瘤は、いわば下肢=足に瘤ができる静脈の病気なのですが、足に起きた異変がやがてカラダ全体にも影響を及ぼすかもしれないという合図を、私たちに送っているのです。放っておけば、エコノミークラス症候群といった重篤な病気の引き金にもなりかねない、怖い病気であるといえます。
その一方で、静脈自体のメカニズムやからくりがわかるにつれ、静脈瘤の適切な治療法が見え、静脈瘤に対する効果的なケアや予防法もわかってきました。
この本では、そうした私の研究をもとに、「下肢静脈瘤になりにくいカラダになる」知恵や工夫をお話ししようと考えています。
カラダを下肢静脈瘤になりにくくするということは、静脈をつねに健康な状態に保つということ。それはすなわち、健康で元気なカラダづくりをするということでもあるのです。  (「はじめに」より)

【第1章】まず、あなたの静脈の健康度を診断してみましょう!
<静脈の健康チェック>
・気がつかないうちに下肢静脈瘤になっているかもしれない
・普段の習慣や行動から静脈の健康度がチェックできる
◆静脈の健康チェック
<普段の暮らしでできる静脈のケアと予防>
・なにか兆候があれば、早期にケアすることが大切です
●日常生活のケアと予防
・歩かない、運動不足も静脈瘤のリスクを高める

【第2章】下肢静脈瘤って、そもそもどういう病気?
<静脈瘤の症状>
・美容と機能の2つの側面があります
・こむら返りも静脈瘤が原因で起こる
●こむら返りの対処法
・むくみとだるさがあったら、静脈瘤を疑え
<静脈瘤になりやすい属性と傾向>
・日本人の10人に1人が静脈瘤になっている?
・暑さと肥満がさらにリスクを高めます

【第3章】下肢静脈瘤はどのようにしてできるの?
<静脈の役割と働き>
・カラダの「きたない血液」をひたすら運ぶ
・静脈と同じような働きをする「リンパ管」の存在
・動脈に比べると影が薄く、ミステリアスな静脈
・静脈はカラダの異変をいち早く教えてくれる
<足の部分に流れる静脈の構造>
・1本の太い静脈とそこから枝分かれした2本の静脈
・重力に逆らって、きたない血液を押し上げるしくみがある
・静脈には動脈にない「弁」がある
<静脈瘤誕生のメカニズム>
・逆流防止弁が機能しないと、きたない血液が足にたまる
・むくみ、だるさと静脈瘤との因果関係
・脱水状態はさらにむくみを悪化させます
・お茶やコーヒー、酒類の飲み過ぎは、かえってむくむ
・もともと日本人は静脈瘤になりにくかった?
・静脈瘤は大病の引き金になります

【第4章】下肢静脈瘤の本当の元凶を発見しました!
<教科書に載っていない静脈の「新常識」>
・1万2000件の症例から静脈の知らなかった構造がわかった
・足には盲腸のような静脈があります
・2本の表在静脈は「ある部分」でつながっていた
<足の甲の「アーチ状静脈」の秘密>
・静脈瘤の原因には2つの説があります
・足の甲で、動脈と静脈がつながっている
・静脈にきれいな血液が流れることで静脈瘤が起こる
・カラダに異変が起こると「抜け道血管」が開く
・抜け道血管が開くのには一定のルールがある

【第5章】下肢静脈瘤になりにくいカラダづくり
<足の甲テーピング>
・足にはいろいろな抜け道血管があります
・自然療法は今一度、見直してみる必要がある
・足全体を圧迫すると、むしろ悪影響が生まれる
・足を上げると、さらにむくみやすい足になる
・抜け道血管を開かないようにすることが近道
●足の甲テーピングのやり方
・こんなときには「足の甲テーピング」をしてみよう!
(テーピングのタイミング)
<静脈瘤になりにくい生活>
・日常生活で心がける「カラダづくりの8か条」
《「静脈瘤になりにくい」カラダづくりの8か条》
・突然、治ったような症状になったときがキケン信号
・静脈瘤になっていたら、テーピングだけでは改善しない

【第6章】下肢静脈瘤の治療法
<静脈瘤とヒトの長い闘い>
・100年前の手術がいまだに横行している
・レーザー手術の登場で状況が一変する
・短時間ですみ、カラダへの負担も少ない手術

おわりに――静脈瘤になりにくくなると、認知症になりにくくなる?