日に新た(月刊『PHP』裏表紙の言葉)

思い出

誰にでも思い出の“味”がある。

 

特に幼いころに、母が、祖母がつくってくれた、忘れがたい手料理の“味”。

 

大好きだったその味がもう味わえないとなったとき、人は懐かしさとともに、心にぽっかりと穴が開いたような寂しさを感じる。

 

味だけではない。

 

顧みれば、楽しかったこと、嬉しかったこと、大切な人とのさまざまな思い出がある。

 

そして、それらが多ければ多いほど、二度とその日々が帰ってこないことに寂しさを覚えるのである。

 

そんなとき、むしろ思い出など初めからないほうがよかった。

 

そうすれば、こんな寂しさを感じなくてすんだのに、という思いにさいなまれるかもしれない。

 

確かに失ったときの喪失感は大きい。

 

だが、それでも、心に残る思い出があればあるだけ、人生は豊かになるのではないか。

 

それらは自分を愛してくれる人がいたという証であり、これからを生きる温かい励ましにもなり、力ともなろう。

 

懐かしい思い出を大事に抱きつつ、今年もまた周囲のかけがえのない人たちとの新たな思い出を一つでも多くつくっていきたい。

 

 


 

 

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心を寄せ合い あたたかい社会を

 

『PHP』誌は、PHPの考え方を広く世に伝えるための機関誌で、PHP研究所設立とともに創刊されました。『PHP』では、人間とは何か、真に豊かな人生とは何か、幸福とは何か、といった「生き方」をテーマを、身近な角度からとりあげます。小・中学生からお年寄りまで多くの読者とともに考える広場になっています。

 

 

 

 


 

 

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1947年に創刊された『PHP』誌は、2012年に創刊65周年を迎えます。『PHPアーカイブス』は、この間に掲載したエッセイ、読者体験談、ドキュメントの中から、今、あらためて読んでいただきたい記事を再録してお届けします。

 

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