こころ相談室

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音楽の世界に嫌気がさしました
 1年半前からうつ病で悩んでいます。原因はずっと昔にさかのぼるのですが、両親が自分の夢をたくすために、私を高校、大学と音楽学校に入れたことです。両親が昔から怖かったので、内気な私は逆らえず、言うとおりに生きてきました。
 いつしか、音楽学校に通うのが嫌になり、音楽も大嫌いになってしまいました。親のご機嫌ばかり伺っていました。苦しかったです。無理をしすぎていたんです。また、どろどろした世界にも嫌気がさしています。意地で音楽を続け、大学院まで行ったのですが、だんだんうつ病になってきて、最後は歌も歌えないようになり、とうとう学校も辞めました。いまは療養するように医者に言われているのですが、いままで忙しい世界にいたので、焦りが抜けず、無理に働こうとしてしまいます。音楽が嫌だといっても、自分はその世界しかしらず、外に出て行く勇気もありません・・。でも、音楽をこれからまた続けていくのも辛いと思います。
 いままで自分は、人生をストレートで生きていない人は、変な人だという偏見を持っていました。でも病気になってから、人生にはブランクも必要だということが分かってきました。でも、頭でそう思っても、どこかで、いままでの偏見を捨てきれず、自分は駄目な人間だ、死にたいと思ってしまうのです。
 そして、将来にまったく希望がもてません。どうして生きているのかということをずっと考え込んでしまいます。うつの状態が良い時はヒマを持て余しています。どうしていいのかわからないのです。何でもよいので、なにかアドバイスを頂けると幸いです。

(23歳、女性、無職)

回 答
 毎日つらい思いをされているようですが、まだ23歳という若さが何よりも救いだと思います。
 さて、あなたが音楽の学校に行かなかったとしたら、はたしてその後は何をやっていたのでしょうか。それを考えると、音楽の道に進んだことは、あなたが悔やむほどには間違ったものではなかったのではなかろうかと私は感じます。
 それから、「人生にはブランクも必要だ」とあなたが言うように、こういうことになるとこれまで見えていなかったものが見えてくるものです。今は療養の期間ではありますが、同時にこれまでゆっくり考えることができなかった時間をここでじっくりと過ごしてみるのがいいでしょう。
「人生をストレートで生きていない人は、変な人だ」というのが「偏見」であることにも気づいたことですし、ちょっと脇道で休みながら、何もしないで思索する時間というのも、とても実りのあるものではないかと思います。
 ついでながら、「ストレートで生きていない人」を「変な人」だと思うこと自体は偏見ではないかもしれません。だけど、「変な人でもかまわない」となればいいんですね。私はそういう「変な人」が大好きです。あなたもちょっと「変な人」の仲間入りをしたかもしれませんが、むしろ私はそれを喜び、歓迎したいと思います。
 それから、今よりも元気になって、もしまた音楽をやりたいという気持ちがでてきたならば、ほとんどの大学では再入学制度(一度退学した人が再び復帰できること)があるはずです。このように、世の中の仕組みはけっこうやり直しがきくようにできているんです。

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