恋愛相談室

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彼に「もう、うんざり」と言われてしまったけれど……
 井上香織先生初めまして。

 私は井上先生の「さよならの向こう側」という本が大好きです。

 なぜかというと、私がきになっている人と名前が同じだし、内容も良かったからです。

 それでは、本題に入ります。

 どこから話したらいいのか分かりませんが、私は高1の時、「社会不安障害」という病気で悩んでいました。その名のとおり、社会が不安で周りに素直に心を開く事が出来ませんでした。

 クラスの中でも友達が出来ず、ひどい時にはからかわれたりしていました。

 完全にクラスから浮いていた時、私に積極的に声をかけてくれたのがW君です。

 私は、小学校でいじめをうけた4,5年生の時から学校では全くしゃべれませんでした。

 それでも、今まではうなずいたり、少ししゃべったりして何とかクラスの中にはとけこめていました。

 私が「社会不安障害」になったのは中学3年の冬です。

 あるクラスの男子に、冬休みにぺらぺら家族としゃべってるところを見られ。

 それを機にしゃべれるようになるのかと思ったら、彼は私をさける様になり、今まで「仲間だ」と思ってたのにショックでした。

 何かの大会に出る時の様な緊張が私に襲い掛かり、授業もついていけなくなりました。そんな感じで向かえた卒業式は私の悲しい思い出です。  しかし、W君は笑顔を私にくれました。

 君が笑うと私も笑ってしまいます。

 でも、時には傷つけあい1年がすぎました。

 高2になってクラスがバラバラになり、その時の私はW君の為にも「社会不安障害」をなおすのに必死でした。

 その時は「うつ病」だと思っていました。

 そして、保健室の先生に紹介してもらい心療内科に高2の時にいきました。

 そこで診断されたのが「社会不安障害」です。

 高校を卒業した今、W君は遠い所へ行ってしまいました。

 私はW君が高1の時に言ってくれた「君の味方だからね」の言葉で3年間、乗り越える事が出来たようなものでした。

 だから、恋というよりは 感謝の気持ちが強いかもしれません。

 今W君について分かる情報は メールアドレスだけです。

 しかし、何度か気持ちを伝えてるうちに

「もううんざりなんやけど」といわせてしまいました。

 何かメールだと、心の全てを伝えられない様な気がするんです。

 それで、友達や周りの人のアドバイスからメールは今していません。

 もうすぐ1ヶ月が経ちます。

 だけど、私的には1ヶ月で充分がんばったと思うんです。

 あさってが過ぎたら、何の気持ちを伝えるかは自分でも分からないけれど、もう1度だけメールを送ってみようかなと思います。

 だけど、友達や相談にのってくれた人をうらぎる事になります。

 みんなが言う様にもうメールはせずに何年後かにあった時に謝るか、1年はメールをしない方がいいのでしょうか?

 何かもどかしいです。

 恋なんですよね? これって? 正直、私には分かりません。

 恋だとして、それで縁がきれてしまうのなら、何もしない方がいい気もします。

 彼は女子に敏感な男子なんです。

 だけど、しっかりしてて、優しくて……。

 私はどうしたらいいのでしょうか?

 出来るだけ早く返事をください。こんな事書いてすみません。

(18・女性・大学1年)

回 答
 あなたからの「ご相談」を拝見して、はじめて「社会不安障害」について調べました。

 周囲に馴染めず、辛い日々を送っていたあなたにとってW君は、心の支えであり、とても大切な人だったのですよね。

 あなたの質問にあった「これは恋?」という問いかけに、残念ながら私はうまく答えることができません。

 でも、彼に対するあなたの気持ちが恋愛感情にしろ、友情にしろ、感謝にしろ。あなたにとって彼が今でも大切な人であることに変わりはないのではないでしょうか?

 お友達が「しばらく彼にメールをしないほうがいい」とアドバイスしてくれたのは、それなりに意味があることのように思われます。

 けれど、あなたの心が、たとえメールだけでも彼とつながっていたいと悲鳴を上げているのなら、メールを送ってもいいのではないかしらと私は思います。

 もう二度と彼に「うんざり」なんて思われたりしないよう、あまり重い内容にならないように注意する必要はあるかと思いますが…。

 高校卒業後、毎日、逢えなくなってしまった今、メールだけが頼りというあなたの気持ちは痛いほどわかります。

 しかし、あなたの言うとおり、メールで気持ちのすべてを伝えるなんて無理です。

 この想いを彼に伝えたい、彼にだけは理解してほしいと思えば思うほど、受け取り手には重たいメールになってしまいます。

 今のあなたに必要なのは、病を乗り越えるための彼の励ましのように思えてなりません。

「あなたに明るい報告ができるように頑張るから、見守っていてね」という気持ちだけ伝えれば、いいような気がしますが、どうかしら?

 次回からは、一方的に自分の苦悩ばかりを書いたりせずに、ときには彼の悩み事の相談相手にもなれるよう努力する。

 そんなふうに彼との新しい関係を築いていくのはいかがでしょうか?

 諸々の事情があり、周囲の人たちと円滑に接することができないこともあるかと思いますが、

「昨日より今日。今日より明日は素敵な一日になる」

 前を見て、生きていってくださいね。

追伸。

『さよならの向こう側』を読んでくださったとのこと。

 ありがとうございました。

 11月には拙著『やさしい旋律』という作品が幻冬舎文庫より発売になります。

『やさしい旋律』はクリスマス頃、映画上映されますので、もし、近くで上映される機会があったら、ぜひ観てください。

 暗いトンネルの先に、一筋の明るい光が射してくるような、そんな物語です。

 また、何かに躓いたり、先が見えなくなったりしたら。

 遠慮なくメールしてください。

 私もあなたの味方です。


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