恋愛相談室

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単身赴任・上司との不倫
 井上香織先生、はじめまして。

 私は40歳になる独身女性です。

 ご相談させていただきますね。

 最近、1年ほど前から一緒に仕事をし始めた上司(40代前半の男性)と関係を持ってしまいました。

 彼は妻子がある身ですが単身赴任してきました。

 仕事上、私は懇切丁寧に仕事内容について説明などをしていましたが日が経つにつれ、彼は自分自身についていろいろと話してくるようになり、お互い明るい雰囲気で就業しておりました。

 ただし、彼は自分の家庭については一切話しませんでした。

 数ヵ月後、大掛かりなプロジェクトがひと段落し、打ち上げの飲み会の後に、彼と私の「二人だけで飲みなおそう」ということになり、軽く付き合ったのを機に、その後、時々、二人だけで食事をするようになりました。

 ある日、彼は「妻とはうまくいっていない」と打明けたのですが私はそれを軽く流し「聞かなかったこと」としていました。

 そんな折、たまたま、移動中のタクシーの中でハプニングを装い私の手に触れたりしだしたので「これは、勘違いされてはいけない」と、頑なな態度をとり続けていたのですが、ある日、彼が高熱を出し、身動きがとれないとのことで私が彼のアパートへ仕事の資料などを届けに行くことになりました。

 玄関で資料を渡し、失礼しようとしたその瞬間に彼に抱きつかれ、キスを迫られたのですが「出来ません」と、対応したのですが。

 その後も何度か食事に誘って来ましたが断り続けていました。

 そうこうしているうちに、私にも彼に対する気持ちが動き出し、

 何度目かの食事の後に(何度か拒否したのですが)一度だけ関係を持ってしまいました。

 同じチームで仕事をしているため、毎日職場では顔を合わせないといけない。しかも上司。

 私は「あれはハプニングだ」と何も無かったかのような表情で毎日を淡々と過していますが、最初は普通に対応していた彼も最近は手のひらを返したように非情な態度をとるようになりました。

 私には上司と不倫の関係になるつもりはありません。

 ただ、仕事をする上で、その非情さは身にこたえることが多々あるので、一度関係を持ってしまった相手に対して男性は「疎ましい」という感情を持ってしまうのか。

 私自身、何気に彼を避けたり、素っ気無い態度をとるようになっているのも事実ですが。

 今後も彼の態度は変えられないと思います。

 それでは、私自身がどのような態度をとっていくのが一番良いのか、せめて、日常会話がとれるようになりたいと思っていますのでどうかご指示をお願いします。

(40・女性・会社員(商社))

回 答
 毎日、職場で顔をあわせなければならない上司との関係……辛い日々をお過ごしのことと思い、胸が痛みます。

 家族と離れ、ひとり赴任してきた彼に、親切に接してきたあなたに対する彼の身勝手な行動の数々……。

 彼はあなたを自分の都合で利用しているとしか思えず、私は憤りを禁じえません。

 家族のことは一切語らず、ここぞというシーンで吐く「妻とはうまくいっていないんだ」という台詞。

 それは、妻子持ちの男が女性を口説くときの常套句です。

 あなたのように、きちんと仕事をこなしている大人の女性が、そんな男の誘いを断りきれなかったのは、とても残念なことですが……..。

「何度も断りましたが」というあなたの記述もあり、私としては、やりきれない想いです。

 なぜ、彼の態度が豹変したのかはわかりませんが、もしかしたら彼はターゲットにした女性を口説き落とすことにのみ精力を傾けるタイプの男性なのかもしれません。

 あるいは、あなたとの一件の後、なんらかの形で奥様に浮気がばれてしまい、問い詰められ、なんとか取り繕ったものの戦々恐々としている可能性もあります。

 いずれにしても、上司の彼は、もし社内の誰かにあなたと関係を持ったことを気取られたらいけないと、過剰に思い、あなたを遠ざけているような気がします。

 しかしながら、新たに赴任してきた街で。仕事上のレクチャーはもとより、ひとり過ごす孤独な時間をあなたとの会話で癒してもらったというのに、懐の小さい男と思わざるをえません。

 あなたに彼への恋愛感情がないのであれば、答えは簡単なのではないでしょうか。

 度、彼と会社の外で会い(食事は絶対にNG)、

「あのときのことは、なかったことと思っています。今後、あなたと個人的におつきあいをする気はまったくありません」

 そう、きっぱり宣言する。

 その際、同じチームでいる以上、仕事だけは円滑に進むようお願いし、

「私にだけ冷たい態度をとると、かえって周りのスタッフに二人の関係を怪しまれてしまうかもしれません」

 と、言ってみるのもいいかもしれません。

 彼はこの年末年始も家族の元へ帰り、何事もなかったかのように団欒を楽しむことでしょう。

 そして、いずれ任期が過ぎたら、妻子の待つ家へ帰ってゆく人。

 それまでの間、お辛いでしょうが、彼にまつわるすべての記憶を抹殺し、平常心で彼に接するしかないように思います。

 あなたからのメールを何度も読み直し、今のあなたにとって大切なのは、現在の職場における仕事のように感じました。

 これまであなたが築き上げてきたプライドは、彼のおかげでずたずたにされているようにも思いました。

 彼が去った後も、あなたはその職場で働き続けることになるかと思います。

 そんなろくでもない上司との噂をたてられ、あなたのキャリアに傷がついたり、仕事に支障をきたすようなことになったら、最悪です。

 勇気がいることと思いますが、年内に、すっきりさせてしまった方がいいのではないでしょうか?

追伸

 あなた自身は、まだ結婚はお考えになっていないのかしら?

 今回のことは、あなたの人生における、ちょっとした「ハプニング」にすぎません。

 お仕事、お忙しそうですが、早くこの「ハプニング」をふっきり、居心地のよい仕事環境を取り戻すこと、そして本物の恋愛に出逢えるよう、祈っています。

 元気を出してくださいね。


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