恋愛相談室

| 知的障害を持つきょうだいがいる私の結婚 |
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井上香織先生、はじめまして。
大変重い話で恐縮ですが、相談させてください。 今から申し上げる相談内容の中で、人道的に不適切な表現があるかも知れません。 また、直接的な表現が多いため、先生を始め、お読みいただく方を不愉快にさせてしまうかも知れません。 どうかお許しください。 私のきょうだいの一人は、知的障害を持っています。 障害を持たれている方には大変失礼と存じますが、私は、幼いころから無意識のうちに、障害者のきょうだいの存在が「自分の評価(主に知能的な面)を下げ」「将来的に結婚の障害になる可能性がある」と感じていました。 そのためか、学校では、自分が馬鹿だ(知能が低い)と思われないように気をつけて過ごしてきたつもりです。 幸い、女子の進学校でしたので、面と向かって馬鹿にしてくるような同級生はおらず、大学にも進学し、その点はとても恵まれました。 しかし、大学でせっかく共学に入ったのに、恋愛に関しては、どうしてもばかばかしいものにしか思えませんでした。 きっと、「せっかく恋愛してもどうせ結婚となったら、断られるんだ」と思っているのだと思います。 そんな気持ちが表れるのか、たとえば、私の恋愛は、とりあえず男性にモテそうな対応をして、向こうからアプローチさせ、とりあえず人間的に良さそうな人ならば付き合い、だいたいは私が飽きて、1カ月くらいで振ってしまうという最悪なものです。 もちろんそういう風にして付き合った男性は、自分から好きになった男性ではないので、今までキスもHもしたことがありません。 最近、学生時代に唯一、自分から「好き」と思えた先輩のご結婚がわかりました。 先日その先輩にお会いしたとき、そろそろ私も結婚を考えた方がよいと諭されました(先輩はきょうだいのことを知っています)。 先輩は、今の私の見た目と年齢なら、今から動けばなんとか結婚まで行けるというようなことを言います。 幸い、上記のような付き合いばかりをしていた私ですが、元彼の1人がよりを戻したいようで、いろいろとアプローチしてくれます。 その男性は、人間的に良い方で、そういう意味では好きです。 きょうだいのことを考えると、一般的なお見合いなどでは、私はすぐにお断りの対象と思います。 実際、お見合い話は今まで1件もありませんし、結婚相談所でも、相手を探すのは厳しいと言われました。 私は、絶対に結婚がしたいです。 でも、キスやHは、私のきょうだいのことを踏まえて、私と結婚を前提に付き合ってくれる人としかしたくありません。 元彼は、いまだに私のことを好きでいてくれているみたいですが、それは、私のきょうだいのことを知らないからではないか、と怖いです。 私のいい面だけを見ているから、きょうだいのことを知ったら、離れていくのではないか?と不安です。 私は、正直、きょうだいと同居して面倒をみるつもりはありませんが(自分自身だけで経済的な援助をするつもりです。配偶者には頼りません。)、そんなことを言ったらきっと、私のことを冷たい薄情な人間に思う人もいるでしょう。 でも、私の人生は私の人生です。 きょうだいの面倒をみるための人生ではないと思うのです。 そんなことを元彼に言うべきか……。 いや、言わなくてもきっと言葉や態度でいつかは伝わってしまう……。 そう考えるとますます不安になります。 しかも、元彼とまた付き合うことになったら、今度こそ、キスやHもしなくてはいけないのではないかと思います。 まさか「結婚してくれないなら、キスもHもしたくない……」とも言えません。 わがままな質問に見えるかと思います。 けれども、私は、本当に真剣で、心が痛いです。 仕事中も、時々涙が出そうになります。 夜の帰り道や、夜中、ふと結婚できないかもしれないと思うと、涙がとまりません。 私はどうしたらいいでしょうか? この質問を送ったのは、私と同じように、障害者のきょうだいがいて、悩んでいる方が他にもいるのではないか、と思ったためです。 もし、一般的(ではないと思いますが)な質問として、先生がお答えいただけるのであれば、他の誰かの役にも立つのではないかと思い、思い切って相談させていただきました。 ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。 (28・女性・会社員) |
| 回 答 |
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さっそく本題に入りましょう。
あなたは『絶対に結婚したい』と書いていましたが。 なぜ、それほどまでに強い結婚願望を持つようになったのでしょうか。 好意を寄せていた先輩に言われた言葉、また刻々と三十路に近づきつつあることが、あなたを結婚へと急がせているのかしら。 あるいは、ひとりで頑張り続けることに少し疲れてしまったのかな。 今は……目の前にいる元彼が最短距離で結婚に辿りつけそうな相手として映っているのかもしれませんね。 しかし、結婚はゴールでは決してありません。 かつて私も結婚に幻想を抱いていた頃がありましたが。 結婚という言葉の先に桃源郷が広がっていると想定しているとしたら、大間違い。 そこから、ふたりの新しい章がはじまるのです。 もちろん、喜びは2倍になり、悲しみは半分になる……という幸せな結婚生活を送っている方はたくさんいますが、舅、姑、親族とのつきあいにはじまり、ひとりだったら味わうこともなかった苦悩に直面することも少なくありません。 それだけの覚悟は、できていますか? それから、元彼との関係についてですが。 『キスやHは、私のきょうだいのことを踏まえて、私と結婚を前提に付き合ってくれる人としかしたくありません』……という、あなたの気持ちは、決してわがままではないと私は思います。 とはいえ、このまま元彼と結婚を前提に再びおつきあいをはじめるとしたら。そう遠くない将来、この問題に突き当たることになるでしょう。 彼をつなぎとめるために口ではOKとこたえても、あなたの表情や態度から、拒絶の気持ちは滲み出てしまうもの。 男性は意外と繊細です。 あなたの気持ちに気づいた彼の心が冷めてしまう可能性も否めません。 あなたにとっては、まだ経験したことのない感情かもしれませんが、本気で好きになった人に対しては、この人の胸に抱かれたい、もっと近く、ぬくもりを感じたいと、ごく自然に思えるものです。 また一方、男性も、己の腕の中の彼女に対し、「守ってあげたい」という気持ちが強まったりします。 もちろん、時間をかけておつきあいするうちに、彼に対するあなたの気持ちが確かな愛情へと変化してゆくこともあり得ますが……。 『彼は、私のいい面だけを見ているから、きょうだいのことを知ったら、離れていくのではないか?と不安です』と、あなたは書いていました。 すべてを打ち明けることに対する不安はよくわかりますが、なにも告げず、おつきあいを再開するのはフェアーではないと私は思います。 彼に過大な期待を抱かせ、結果的に彼をまた傷つけることになってしまうからです。 やはり、ごきょうだいのこと、結婚に対するあなたの気持ちを正直に話してみたらいかがですか? それで彼が眉根をひそませたり、後ずさりするようでしたら、即刻、復縁は白紙に戻しましょう。 仮に彼があなたを受け入れてくれたとしても。 残念ながら、一般的に考えて、彼のご両親がもろ手を挙げ、結婚に賛成してくださる可能性は薄いかもしれません。 けれど、「たとえどんなことがあっても、愛する彼女の家族は、僕の家族。彼女だけでなく、家族も大切にしたい」と心から思ってくれる男性は、必ずいるはずです。 あなたは幼い頃から今まで……私などには想像できないくらい、お辛いことを歯をくいしばり必死に乗り越えていらしたのだと思います。 あなたが抱えた悩みごと、あなたを包んでくれる、そしてなによりあなた自身、安心して身も心もゆだねることができる男性と、きっと出逢えるはずです。 それが、元彼なのか、あるいはべつの誰かなのかどうかは、わかりませんが……。 理路整然とした文章から察するに、あなたはとても知的で素敵な女性です。 自分に自信をもってくださいね。 追伸 今回、取り上げたのはたいへんデリケートな問題ではありますが、とても切実な彼女の文面を読み、掲載させていただくことにいたしました。 もし、これをお読みの方で、彼女と同じ悩みを抱えていらっしゃる方がいたら、ぜひお便りをお寄せください。 一緒に考えてゆきましょう。 |
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