人名事典

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坂田俊文

(さかた・としぶみ)
 一九三一年東京都生れ。千葉大学工学部卒。東大助手を経て、東海大学教授。情報技術センター所長。

 画像情報工学のパイオニア。人工衛星から送られてくる地球観測データを画像処理する仕事だが、この人の提唱した宇宙考古学が話題を呼んでいる。考古学というのは、現地へ入り、古文書を見ながら穴を掘ったり物のカケラを拾い集めるだけではない。高度五百キロから調査するところに発想の転換がある。『現代』(96年7月号)「宇宙考古学で人類の未来を語りたい」のインタビューによると、人工衛星から送られてくるデータをコンピュータで解析し密林や地中に埋まった遺跡を探査したり古環境を浮び上がらせようという試み。

 氏は衛星画像をさまざまなことに活用しようとする。災害、事故の監視警報。砂漠化も森林資源破壊も汚染も一目瞭然である。「衛星画像で見れば地球は人類のかけがえのない家とおのずと気付くはず」と強調する。

 著書に『「地球汚染」を解読する』(情報センター出版局、89年)、『ハイテク考古学』(丸善、91年)、『「太陽」を解読する』(情報センター出版局、91年)がある。

(データ作成:1997年)