人名事典

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ヘンリー・キッシンジャー

 一九二三年ドイツ・フュルト生れ。ハーバード大学大学院卒。ハーバード大学教授。ニクソン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、国務長官を経て現在に至る。七三年ノーベル平和賞。

 日本の頭越しに米中接近、いわゆるニクソン・ショックを実現させた立役者であり、歴史に名を残すことは間違いない人物。日本に対しては一貫して懐疑的で、最近出版された大著『外交』(96年)においても、当時宮澤首相が「北朝鮮の核兵器保持に同意しない」と発言したことに触れ、「日本も独自の核能力を開発することを意味するのだろうか」と述べている。氏を「親中・反日」派と見る向きもあるが、超大国の外交専門家として、日中バランス論をとるのは当り前と考えるべきかもしれない。

 邦訳書『外交』(上下、日本経済新聞社、96年)、『キッシンジャー秘録1-5』(小学館、80年)、『激動の時代1-3』(同、82年)。

(データ作成:1997年)