人名事典

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三輪和雄

(みわ・かずお)
 一九二七年愛知県生れ。名古屋大学医学部卒。社会保険中央総合病院脳神経外科部長などを経て、西武中央病院に勤務。

 中京病院に勤務していた五九年、『海吠える 伊勢湾台風が襲った日』を発表したのを皮切りに、『空白の五分間』(文藝春秋、79年)、『騎手福永洋一の闘い』(同、80年)など、医師ならではの着眼から数々のノンフィクションを手がけてきた。筆致は抑制されて客観的。『過労死』(徳間文庫、93年)では予防法まで解説した。ヤルタ会談に出席したチャーチルとルーズベルトがともにボケていたというエピソードを紹介するなど、「政治家はなぜ病気を隠すか」という問題についても、一貫して関心を寄せる。近著『病める政治家たち』(文藝春秋、96年)は、その現代日本政治家版。さすがに構造に迫る“メスさばき”は巧みである。

 著書に『猛医の時代』(文藝春秋、90年)、『脳外科医の独白』(朝日新聞社、94年)ほか。

(データ作成:1997年)