人名事典

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井田真木子

(いだ・まきこ)
 一九五六年神奈川県生れ。慶應義塾大学文学部哲学科卒。

 早川書房勤務を経て、雑誌のデータマンを長く続けたあと、女子プロレスの世界で生きる三人の少女にスポットを当てた『プロレス少女伝説』(かのう書房、90年)で九一年大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。家田荘子氏との同時受賞に、初の女性独占と騒がれた。選考委員の深田祐介氏は、「二人の作品に共通するのは肉声が直接響いてくること」と高く評価、「女性の時代の到来を感じた」と述べた。

 九三年には残留孤児二世の苦難の生活を描いた『小蓮の恋人』(文藝春秋、92年)で講談社ノンフィクション賞も受賞。「他の人がやらないことを、なぜやらないのかわかるまでやる」という「我慢強さ」が信条。空しい時代を封印せずに記録することこそ、その時代を克服するうえで必要、と信じる正統派のノンフィクション作家だ。

 著書はほかに『旬の自画像』(文藝春秋、95年)など。

(データ作成:1997年)