人名事典

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伊東俊太郎

(いとう・しゅんたろう)
 一九三○年東京都生れ。東京大学文学部卒。同大大学院、助教授、教授を経て、国際日本文化研究センター教授。

 科学史研究者として国際的な評価を受ける一方、歴史を人類史的な視野から捉えようとする比較文明論を展開。「二十一世紀に向けて地球人類はデカルトの呪縛から解放されなければならない」。伊東のこのメッセージは欧米志向型の日本の学界に大きな警鐘を鳴らした。地球規模の環境破壊の深刻さを考えるとき、人間の自然支配をめざした十七世紀的自然観からの脱却、つまり地球を「自己組織系」と見なす日本の伝統的自然観の復権を説く。

 『中央公論』(90年4月号)で「人間革命を招来する東洋の遺産」と題してこれからの地球を救うのは物、快適さを求め、精神的なものを切り落した過去を反省、足るを知ることだという。

 著書に『比較文明と日本』(中央公論社、90年)などがある。

(データ作成:1997年)