人名事典

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伊東光晴

(いとう・みつはる)
 一九二七年東京都生れ。東京商科大学(現・一橋大学)卒。法政大学教授、千葉大学教授、京都大学教授、同大学経済学部長を歴任。

 近代経済学とマルクス経済学の研鑽を唱えた杉本栄一の下で経済学を学ぶ。のちに都留重人の影響を受ける。保守と革新の日本的構造を明らかにすることによって、日本における革新のあるべき姿を探った。最近では、冷戦後の経済について、「国際的にも国内的にも福祉の犠牲の上に効率の追求があり、それを強制しているのが国際化にともなう競争圧力である」(『エコノミスト』96年8月20日号)とし、急激な市場経済の拡大は、国内有効需要政策=失業対策としてのケインズ政策の効果を減少させる「賤民資本主義」の拡大である、とその舌鋒は健在である。

 著書に『ケインズ』(岩波書店、62年)、『シュンペーター』(共著、岩波書店、93年)などがある。

(データ作成:1997年)