人名事典

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吉田武男

(よしだ・たけお)
1954年、奈良県生まれ。筑波大学大学院人間総合科学研究科教授。博士(教育学)。専門は、道徳教育学。大学院博士課程では道徳教育学関係科目を、大学では 教育学類の専門科目および全学類向けの教職科目(道徳教育、特別活動)を担当している。長年にわたって、シュタイナー教育についてマイペースで研究し ている。最近は、現実の教育問題をすべて個人の心の問題に還元して解決を図ろうとする心理主義の風潮、別な言い方をすれば、シュタイナー教育でいうと ころの「精神」ないしは「霊」(ドイツ語のGeist、英語のspirit)に当たる人間の本質的な部分を探究することなく、表象的な心の諸相やその研究にただ振り 回されている教育界の風潮に対して、警鐘を鳴らし続けている。

著書に、シュタイナー教育の関係としては、『シュタイナーの人間形成論――道徳教育の転換を求めて』(学文社・2008年)『発想の転換を促すシュタイナー の教育名言100選』(学事出版・2001年)『シュタイナー教育を学びたい人のために』(協同出版・1997年)。一般的な教育書としては、『道徳教育の指導法の課 題と改善――心理主義からの脱却』(編著、NSK出版・2008年)『教師をダメにするカウンセリング依存症――学級の子どもを一番よく知っているのは担任 だ!』(共編著、明治図書出版・2007年)『カウンセラーは学校を救えるか――「心理主義化する学校」の病理と変革』(共著、昭和堂・2003年)『いのちに根 ざす日本のホリスティック教育』(分担執筆、せせらぎ出版・2001年)『趣味を生かした総合的学習』(分担執筆、協同出版・1999年)『ドイツの教育』(分担 執筆、東信堂・1998年)『教職教養のための同和教育の基礎』(協同出版・1997年)、『進路指導主任の職務とリーダーシップ』(分担執筆、東洋館出版社・1997 年)、『教育方法――その思想と実践の発達』(共著、大阪教育図書・1994年)『教育名著の愉しみ』(分担執筆、時事通信社・1991年)など。その他、著書多 数。論文に、学術学会誌に掲載されたものとして、「シュタイナーの教育論における『臨床の知』――教師と子どもとの関係性に着目して」『教育学研究』第69巻、 第3号(日本教育学会・2002年)「シュタイナー教育における道徳教育の方法の基本原理――シュタイナーの教育観を手がかりにして」『道徳教育論集』第2 号(日本道徳基礎教育学会・1999年)「自由ヴァルドルフ学校における学級担任制の特質――シュタイナーの教育観を手がかりにして」『日本教育経営学会紀 要』第36号(日本教育経営学会・1994年)「シュタイナーの教育方法論の特質――発達の関係を中心として」『教育学研究』第54巻、第2号(日本教育学会・ 1987年)「シュタイナーにおける幼児期の教育方法論の特質」『教育方法学研究』第10巻(日本教育方法学会・1985年)など。その他、論文多数。

(データ作成:2009年)