人名事典

>> 検索トップへ

呉 智英

(くれ・ともふさ)
 一九四六年愛知県生れ。早稲田大学法学部卒。東京理科大学講師。

 日本で唯一、封建主義者を任ずる評論家。『論語』についての造詣の深さは言論界屈指。デビュー作『封建主義、その論理と情熱』(情報センター出版局、81年)で、「民主主義が絶対」という「迷妄」を指弾。封建主義思想の封印を解いた。以来『インテリ大戦争』(宝島社、84年)、『バカにつける薬』(双葉社、87年)と知識人批判を展開。一方、該博な知識をもとにマンガ評論家としても活躍する。最近では孔子ら思想の黎明期を築いた「言文一致の哲学」を現代に復権させんと試み、“侵略戦争”問題では小浜逸郎氏、福田和也氏らと、“オウム”問題では橋爪大三郎氏、大月隆寛氏らと、戦後民主主義を洗う共同作業を展開した。

 著書に『オウムと近代国家』(共著、南風社、96年)など。

(データ作成:1998年)