人名事典

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大沼保昭

(おおぬま・やすあき)
 一九四六年山形県生れ。東京大学法学部卒。同大助手、助教授を経て、教授(法学部教授)。

 アジアにおける日本の戦争責任や在日韓国・朝鮮人にかかわる問題を積極的に提起している。『諸君!』(94年11月号)では、「戦後補償」問題を解決しないことが、「日本がこれから、安保理常任理事国となり、国際的な協調を果たし、発言権を行使していくうえで最大の足枷になる」と指摘。日中関係についても、「開放政策によって中国国内の表現の自由が増し、これまで以上に強い日本への恨みが噴き出す可能性がある」とした。保守論壇に乗り込んで堂々と論陣をはれる、いまや数少ない進歩的文化人の一人であろう。

 著書『国際シンポジウム 東京裁判を問う』(共著、講談社、89年)、『戦争と平和の法』(編著、東信堂、87年)。

(データ作成:1998年)