人名事典

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山家悠紀夫

(やんべ・ゆきお)
 一九四〇年愛媛県生まれ。神戸大学経済学部卒業後、第一銀行入行。第一勧業銀行調査部などを経て、九四年より第一勧銀総合研究所取締専務理事。

 九七年の景気後退期に、『偽りの危機 本物の危機』(東洋経済新報社)を発表して、従来の通説を真っ向から批判した。氏によれば、「構造危機」は実証できず、「空洞化危機」も実在しない。また、日本産業の「高コスト危機」は論理が通らず、「財政危機」は誇大宣伝だと断じた。さらに、「規制緩和」や「財政再建」の唱和が、いかに危険な道かを論じている。

 その論旨は明快で、ひとつひとつの議論をデータで証明してあり、少なからぬ読者に、大きな衝撃を与えた。孤立を恐れない、異説のエコノミストである。

 著作に『実践ゼミナール 日本の金融』(東洋経済新報社)がある。

(データ作成:1996年)