人名事典

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山田詠美

(やまだ・えいみ)
 一九五九年東京都生れ。明治大学文学部中退。

 在学中に漫画家としてデビューするが、表現手段としての不足を感じて、小説に転向。八五年『ベッドタイムアイズ』(河出書房新社、文芸賞)で文壇デビュー。八六年『ソウル・ミュージック ラバーズ・オンリー』(角川書店)で同年日本文芸大賞女流文学賞、翌年直木賞を受賞。以来、当代を代表する人気女性作家となる。九一年の作品『トラッシュ』(文藝春秋、女流文学賞)を評して黒井千次氏は、こう語っている。〈日本を舞台としては成り立たず、しかも日本人が書かねば決して生み出されなかった小説〉(『朝日新聞』91年3月31日)。キーワードは「ほんとの大人になること」だった。山田氏はいう。「(それは)自分がどれほどのものか知っている人」。山田文学は内面の成熟を見つめる。

 著書に『アニマル・ロジック』(新潮社、96年)、『嵐ヶ熱血ポンちゃん!』(講談社、95年)ほか。

(データ作成:1999年)