人名事典

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岡田節人

(おかだ・ときんど)
 一九二七年兵庫県生れ。京都大学理学部卒。同大教授を経て、国際生物科学連合副総裁。生命誌研究館館長。

 発生生物学、生物科学の権威。細胞分化と細胞同士の結合の仕組みを分子レベルで追究。中村桂子氏らと協力し、学問の括り方を変えた。生物の種類ごとのタテ割り研究ではなく、全生物に共通する生命現象を考える新しい場の設定。『中央公論』(93年12月号)「生命誌という知的冒険」では「生命科学はバイオテクノロジーとつながっているが、生き物を捉えるときにこれだけの立場しかないのか」と発言。日本人初のスペイン王立科学アカデミー会員(90年)。昔の昆虫少年は、わが国の発生生物学のリーダーとして活躍中だ。

 著書に『細胞の社会』(講談社、87年)、『学問の周辺』(佼成出版社、91年)。

(データ作成:1997年)