人名事典

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川崎磯信

(かわさき・いそのぶ)
 一九三六年富山県生れ。城山中学卒。農業を営んでいたが、自称「ヤミ米屋」を始め、現在、川崎商店店主。

 川崎氏の肩書は「食糧管理法第八条第一項違反及び酒税法第七条第一項違反・被告人」というもの。九二年に食糧庁に帳簿類一式を持ち込んで挑発した。食糧管理法の矛盾をつくための行動だった。かつては米の収穫量でトップの優良農家だった氏が一転して食糧庁と農協を敵に回し、「ヤミ米屋」まではじめて対決するようになったのは、日本の農政に絶望したからという。判決は「被告の行為は法秩序全体からみて許容されるものではない。しかし、違反行為の多くが、黙認されている状況にある」として罰金三百万円のみ。現在、氏の批判は農協に向いている。一連の活動について「喧嘩は個人の怨念ではじめたこと」と言い切るが、農政に与える影響は大きい。

 著書に『食糧庁殿わたしはヤミ米屋です』(現代書林、92年)がある。

(データ作成:1997年)