人名事典

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徳岡孝夫

(とくおか・たかお)
 一九三○年大阪市生れ。京都大学英文科卒。フルブライト留学生としてアメリカのシラキュース大学に留学。帰国後、毎日新聞社に入社。社会部記者、編集次長、編集委員などを歴任。現在、評論家、ジャーナリスト。

 英語力を駆使して、日米関係史に隠された事実を発掘するとともに、戦後日本特有の脆弱な人命第一主義・平和主義・民主主義を批判する。記者時代には、ベトナム戦争、中東戦争、また三島事件などを取材。三島事件の際には、三島が直前に決行を伝えた二人のジャーナリストのうちの一人。また日米開戦にいたる真珠湾攻撃前夜の歴史発掘を手がけ、「騙し打ち」となる原因をつくった当時の外務省怠慢の責任を追及した。若いころより名文で知られ、コラムにおいても独特の境地を開拓し、知る人ぞ知る存在。味わいのある鋭い文章を愛する読者は多い。

 著書に『「真珠湾」を知っていた女』(文藝春秋、93年)がある。

(データ作成:1997年)