人名事典

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明石 康

(あかし・やすし)
 一九三一年秋田県生れ。東京大学教養学部卒。国連入り。国連日本代表部大使、広報担当・軍縮担当各事務次長を経て、九二年国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)事務総長特別代表に就任、翌年選挙による暫定政権樹立に導いた。

 ひきつづき旧ユーゴスラビア問題担当特別代表として「話し合いによる紛争解決」に努力したが、九五年十一月突然辞任して現職。辞任劇の背後には「武力解決」を急ぐアメリカの圧力があったと噂される。『文藝春秋』(95年4月号)では、戦後日本の構造的欠陥を「自衛隊という組織をどう活用するかを考える想像力が欠落していること」と指摘。国際社会が紛争を解決する手段として武力を放棄していないことを身をもって知る、ほんとうの国際人。

 著書に『国連から見た世界』(サイマル出版会、92年)。

(データ作成:1997年)