人名事典

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池尾和人

(いけお・かずひと)
 一九五三年京都府生れ。京都大学経済学部卒。一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。京都大学経済学部助教授を経て慶應義塾大学教授。

 住宅金融専門会社の処理など、日本の金融システムが大きく揺らぐなかで、不良資産化した土地の買い上げではなく、預金に対する信認を維持し決済システムを守るために公的資金を導入すべきと主張した。住専処理法と金融関連四法が成立したが、これは不良債権問題の第一歩にすぎず、本格的な金融機関の破綻処理の制度をつくれと警告している。また、これからの日本の金融機関は、それぞれが得意とする分野に特化しなければ、自由化・国際化がいっそう進展する激しい国際競争のなかでは生き残れないと強調する金融論のエキスパートである。

 著書に『銀行リスクと規制の経済学』(東洋経済新報社、90年)、『金融産業への警告』(東洋経済新報社、95年)などがある。

(データ作成:1997年)