人名事典

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池田晶子

(いけだ・あきこ)
 一九六○年東京都生れ。慶應義塾大学文学部哲学科卒。

 八七年『最後からひとりめの読者による「埴谷雄高」論』がデビュー作。埴谷雄高氏との貴重な対談も掲載されていた。以来、「いちばん大切なのは『自分で考える』という事態を正確に把握すること」と捉え、難解な哲学用語を必要としない「エセー=思考する文章」の確立を試みてきた。九四年、『考える人』(中央公論社)と『帰ってきたソクラテス』(新潮社)で注目を浴びる。なかでもソクラテスとの対話によって身近な問題の思考を助ける「帰ってきたソクラテス」シリーズは読み物としても楽しく(落語のよう)、現在も『新潮45』に連載中。「哲学は人が自分で考えているそこにある」という当り前のことを思い出させてくれた功績は大きい。

 著書に『オン!埴谷雄高との形而上対話』(講談社、95年)など。

(データ作成:1997年)