人名事典

>> 検索トップへ

真壁 実

(まかべ・みのる)
 一九三二年東京都生れ。日本大学経済学部卒。城南信用金庫に入り、専務理事、理事長を経て城南信用金庫会長。

 信用金庫業界のドンと呼ばれた故・小原鉄五郎元会長の愛弟子。大蔵省の「護送船団方式」という金融行政にどっぷりつかり、横並び意識の強い金融界にあって、あえて大蔵省に抵抗しながら、金融自由化の先駆者的試みを続けている。独自の判断で住宅ローン金利も含めて貸出金利水準を決め、不良債権額の公表も「お客さんに経営の中身を知らせないで信用しろというのは無理な話」と、大手銀行に先駆けて実施した。最近では、一等五万円という懸賞金付き定期預金を、大蔵省や業界の反対を押し切ってスタートさせ、大ヒットさせた。東京協和、コスモなどの信用組合が経営破綻したが、「みなで助け合うのでは、信用金庫業界全体が沈んでしまう。もう、いらなくなっている金融機関もある」といいきる。山椒は小粒でもピリリと辛い。

(データ作成:1997年)