人名事典

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舘 すすむ

(たち・すすむ)
1946年東京都生れ。東京大学工学部卒。MIT客員研究員を経て、東京大学教授(先端科学技術研究センター教授)。

 大学院では音色研究、人間と共存する新世代ロボットの研究を続ける。盲人用歩行補助器評価装置の開発も手掛ける。『日本経済新聞』(96年3月6日)掲載の氏が開発した「分身ロボット」とは、人間並みの感覚をもつロボットと通信技術を融合したもので、コンピュータのつくりだす仮想世界を立体視するだけでなく、物に触れた感覚まで得られる。また、「理論的には『ミクロの決死圏』のようなことは十分可能」と語り、マイクロマシンを体に潜り込ませて、医者や科学者はその仮想現実のなかで自分が患者のなかに入ったのと同じ感覚でロボットを遠隔操作する仕組みだという。ロボティックス分野の第一人者はSFの世界をけっして否定しない。

 著書に『人工現実感』(日刊工業新聞社、92年)、『バーチャル・テック・ラボ、超現実への接近』(共著、工業調査会、92年)など。

(データ作成:1997年)