人名事典

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芹沢俊介

(せりざわ・しゅんすけ)
 一九四二年東京都生れ。上智大学経済学部卒。

 家族論、女性論を軸とした戦後大衆論で知られているが、最近は事件、風俗、メディアといった都市のさまざまな社会現象を評論。たとえば、「きんさんぎんさん」という「超アイドル」が突如誕生した現象について、その要因を探りながら、それを可能にした現在の日本社会と日本人の成り立ち、構造を開示する。いわく「死がどんな時代よりもよく飼い慣らされている社会」の産物。素材によって、精神分析に依拠したり吉本隆明氏を援用したり、と批評のフレームを変えるのが特徴。テーマの重さを、文章の端々に顔を覗かせる人懐っこさが救っている。

 著書に『「オウム現象」の解読』(筑摩書房、96年)など。

(データ作成:1999年)