人名事典

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藤原新也

(ふじわら・しんや)
 一九四四年福岡県生れ。東京芸術大学油絵科中退。

 六九年、カメラ片手に旅に出る。ヨーロッパ、中近東、インドに滞在。七○年、「インド放浪」を『アサヒグラフ』に連載して注目を浴びる。以後、インドを中心にアジア諸国を放浪。七八年『逍遙游記』(現在、朝日選書)で木村伊兵衛賞を受賞する。「インド、東南アジアなどの旅の総括」として出版した『全東洋街道』(集英社文庫)で八二年毎日芸術賞受賞。八三年、帰ってきた日本の「ヤバさ」が目について「悪態」をついた『東京漂流』(情報センター出版局、83年)および『メメント・モリ』(同、新装版90年)がベストセラーになり、以来、日本人のなかにひそむ偽善を抉りだす表現活動で“藤原信者”を生み出す。九四年ころに引退を考えていたが、「九五年というのが寝た子を起こして」しまい、再び表現の現場に。いま、「心の焦土」に立ち、「言葉」による復興に思いを巡らす。

 著書はほかに『沈思彷徨』(筑摩書房、96年)、『全東洋写真』(新潮社、96年)など。

(データ作成:1997年)