人名事典

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西垣 通

(にしがき・とおる)
 一九四八年東京都生れ。東京大学工学部卒。日立製作所、明治大学助教授を経て、東京大学教授。

 情報工学、情報文化論を専攻。インターネット万能論に対して異議あり。『Voice』(96年7月号)「インターネットの正体」で牧野昇氏と対談して異常なまでのネットブームを批判。ネットの欠点はパフォーマンス、セキュリティーが悪いこと。情報の中身も大したことないし、電話代のコストもかさむ。西垣氏によると、研究者用のインターネットは七○、八○年代からあったが、国の費用がかかるので企業に公開。その後使いやすいソフトウエアとデータベースシステム「ワールド・ワイド・ウェッブ」が開発されただけ。インターネットの魅力は膨大な情報へのフリーなアクセスにある。しかし、そんな大量の情報をどう扱うのか。われわれは少ない情報を深く読む力を訓練したほうがいいかもしれない。

 著書は『デジタル・ナルシス』(岩波書店、91年)、『マルチメディア』(岩波書店、94年)ほか。

(データ作成:1997年)