人名事典

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辺見じゅん

(へんみ・じゅん)
 一九三九年富山県生れ。早稲田大学文学部仏文科卒。現在、ノンフィクション作家。歌人。角川春樹は兄。

 日本人にとって未曾有の体験だった太平洋戦争とはいったい何だったのか。個人個人の体験からもう一度見直し、歴史認識をさらに深める作業をつづけねばならない||『男たちの大和』(ちくま文庫、95年)や『収容所から来た遺書』(文春文庫、92年)などの作品は、すべてこの思いに支えられている。国語学者で角川書店の創設者・角川源義の長女として生れ、父が病床で自分の戦争体験を語ってくれたことが、一連の作品に取り組むきっかけ。また、辺見氏は民俗学の研究家として、全国を歩き、老人たちに話を聞くことが多かった。その際、老人たちが語る「死」にひかれたという。歌人としての活躍も注目されている。綿密な調査と徹底した取材は、つとに有名である。

 著書に『レクイエム・太平洋戦争』(PHP研究所、94年)ほか。

(データ作成:1997年)