人名事典

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金子郁容

(かねこ・いくよう)
 一九四八年東京都生れ。慶應義塾大学工学部卒。スタンフォード大学大学院修了。ウィスコンシン大学助教授、一橋大学助教授、教授を経て慶應義塾大学教授。

 個人的な勉強会や企業間の情報交換など、自発的で形式にとらわれない「ネットワーキング」に着目して、現代経済社会の今後の在り方を論じる。「経済活動といっても効率性の追求は究極の目的ではなく、経済は自己表現の一つの形態であるかのようなところが現在進行中のネットワーキングの特徴」(『ネットワーキングへの招待』)であるという。この観点から個人および企業の「ボランティア」を、来るべき情報社会の在り方の一つとして高く評価している。現在のインターネット社会に対する鋭い批判が待たれる。

 著書に『ネットワーキングへの招待』(中央新書、86年)、『ボランティア』(岩波新書、92年)などがある。

(データ作成:1997年)