人名事典

>> 検索トップへ

鈴木邦男

(すずき・くにお)
 一九四三年福島県生れ。早稲田大学政治経済学部卒。産経新聞社に入社、七二年民族派の一水会を結成して代表となる。

 三島事件に加わった友人・森田必勝の死に衝撃を受けて「一水会」を結成したが、たんなる反共右翼からの脱皮を主張。テロ、ゲリラなど非合法活動をしない、他人に強要しない、団体の威力を背景に主張を押し通さないの「非暴力三原則」を掲げ、「発言の場がないからテロだ」という右翼の論理を批判、「言論右翼」と呼ばれた。旧ソ連、東欧の共産主義国家の崩壊を目の当りにして、反共の右翼は最終的に終ったと述べ、民族主義は穏やかな郷土愛に基づくボランティア的な活動に戻るべきだと論じる。道を模索する民族派の将来を左右する人物といえる。

 著書に『これが新しい日本の右翼だ』(日新報道、93年)がある。

(データ作成:1997年)