人名事典

>> 検索トップへ

霍見芳浩

(つるみ・よしひろ)
 一九三五年熊本県生れ。慶應義塾大学経済学部卒。ハーバード大学で経営博士号を取得。コロンビア大学教授、カリフォルニア大学教授を経てニューヨーク市立大学教授。

 政治に配慮することなく経済的繁栄が追求できる、と考える戦後日本人特有の「政経分離」の幻想を鋭く衝く。ことに米国の対日「政治」が、「経済」と不可分であることを指摘して、自動車交渉、対米黒字問題、安保再定義などにおける日本の対応の甘さを厳しく批判。とくに、日米安保は米国による日本人の「マインド・コントロール」であり、日本人はこれに完全に「ポア」されてしまったという。日本が世界のなかで生き残るためには、まず真の政治感覚の回復が必要であり、そのための方策として、安保を廃棄して「新拡大安保」の交渉を始めよと主張する。アメリカ発の一つの憂国の声か。

 著書に『日本企業繁栄の条件』(光文社、92年)などがある。

(データ作成:1997年)