人名事典

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香西 泰

(こうさい・ゆたか)
 一九三三年兵庫県生れ。東京大学経済学部卒。経済企画庁に入り、物価調整課長、経済研究所総括主任研究官、東京工業大学教授を経て日本経済研究センター理事長。

 官庁出身エコノミストの一人で、積極財政論を唱えることが多く、これまで経済見通しについては楽観的だったが、戦後五十年を検証するなかで、いまや日本経済は一つの危機を迎えていると認識するに至っている。財政の赤字と硬直化、金融システムの動揺、対外貿易摩擦、内外価格差、雇用不安と日本経済の課題を数え上げれば、楽観論も後退する。ただ、「危機」は「危険」と「機会」の合成語と主張するように、自己革新、改革をなし遂げれば、将来は明るいと、日本経済のダイナミズムのなかに日本の未来をみつめている。

 著書に『高度成長の時代』(日本評論社、81年)、『歴史の転換点で考える』(共著、講談社、94年)などがある。

(データ作成:1997年)