

『真珠湾攻撃総隊長の回想 淵田美津雄自叙伝』
淵田美津雄 著 中田整一編・解説
講談社/1,995円(税込)
昭和16年(1941)12月8日の真珠湾攻撃。南雲機動部隊から飛び立った360機の飛行隊の総指揮官として「トラトラトラ(我奇襲に成功せり)」を打電し、太平洋戦争の端緒をきった淵田美津雄海軍中佐(当時)の自叙伝が初公開された。
早くから航空主兵論者の淵田は、真珠湾攻撃の成功にも関わらず、いまだ大艦巨砲主義と決別できない海軍上層部に対して激しい憤りを隠さない。連合艦隊司令長官・山本五十六に対しても、ハワイ作戦後、南雲機動部隊から熟練パイロットの2割を引き抜き、新人教育などの喫緊の要事でない任務につかせたことなどから、「凡将」であったと批判している。
また、淵田は栗田艦隊のレイテ湾突入を企図したのはそもそも自分だといい、それは敵兵を一人でも多く殺傷して講和を有利に進めるための「特攻的作戦」であったなどと、生々しい戦争の真実が語られる。そんな淵田がなぜ終戦6年後、キリスト教に回心し、アメリカ伝道の旅に出たのか。本書は、一人の海軍軍人が辿らざるを得なかった運命と苦悶が真摯に綴られ、戦争の虚しさ、そして人間とは何かを考えさせてくれる好著である。
『月芝居』
北 重人 著
文藝春秋/1,600円(税込)
左羽家の江戸屋敷が召し上げられた。家中の江戸留守居役・小日向弥十郎は、拝領屋敷を得るために暗躍する人々、金の動きを知り愕然とする。そんな折、土地仲介業の男が殺される事件が…。大藪春彦賞受賞作家による傑作時代エンターテイメント。
『のぼうの城』
和田 竜 著
小学館/1,575円(税込)
舞台は、石田三成の水攻めで知られる武蔵忍城。城を守る成田長親は「のぼう様」といわれるほどのでくのぼうだが、知恵も勇気もないこの男が、圧倒的大軍の豊臣軍に敢然と立ち向かう。果たしてどんな策を使ったのか? 軽快な読み心地の戦国小説。
『〔図解〕「古代史」―日本誕生の隠された真実』
関 裕二 著
PHP研究所/1,000円(税込)
この国は、どのようにして成立したのだろうか。縄文時代から律令制度導入に至るまでの古代史の様々な謎を解き明かしていくと、そこからは、知られざる日本、日本人像が見えて来た! 本誌の大好評連載「ヤマト誕生の真実」、待望の単行本化。
『山本五十六』
半藤一利 著
平凡社/1,890円(税込)
最近、山本五十六を凡将・愚将視する人が増えているという。同じ高校出身で、"山本贔屓"を自称する著者はその状況を憂い、真珠湾攻撃やミッドウェーの失敗の裏にあったもの、山本が置かれた状況を丁寧に描き出し、彼が感じていた「無念」に迫る。
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